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2023年10月11日|カテゴリー「ブログ
こんにちは。
この1週間で一気に季節が進んでいるように感じます。
朝夕は、涼しさというより、「寒さ」を覚えるほどです。

さて、少し前の仕事の紹介です。
半年前のお仕事ですが、ご覧ください。



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みんな大好き、「伊勢えび」です。

石見神楽面職人の仕事は、「舞面」「飾り面」「蛇頭」がメインです。
しかし、私の場合は、ありとあらゆるものを造形し、和紙作品として仕上げています。

今回は、「伊勢えび」。

これがこの後、多くの職人の手に渡り、唯一無二の作品となってお客様の元へと渡ります。

伊勢えびに限らず、これまで、「鯛」や「サザエ」まで作りました。
海育ちで、魚介類が大好物の私ですが、さすがにいざ形を作るとなると、とても大変な作業なのです。

「内部構造(身と骨と内臓)がどうなっているのか」
「動くときにどの部分が、どう可動するのか」

の原理がわかっていないと形にすることができません。

ということで、そんな難しい仕事に日々挑んでいる私ですが、今度は何を作るのか、、、乞うご期待!!

2023年9月29日|カテゴリー「ブログ
2023年は、ひたすら「挑戦」の年となっています。

この度、出雲大社の神門通りにオープンしました「ホテルKararakoー神等楽来ー」様のご依頼により、レストラン天井部の壁画レリーフを製作させていただきました。


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昼の風景
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レセプションパーティーの様子
こちらのホテルをデザイン・プロデュースされたのが江津市にございます「デザインオフィスSUKIMONO」様で、オーナー様の御意向である「天井に和紙の雲を」というご依頼をもとに、SUKIMONOスタッフの皆様と度重なる調整と実験を重ね、先月、無事に納品設置をさせていただきました。

今作では、「出雲」「八雲」「八百万神々」から着想し、Kararako様の漢字表記である「神等楽来」の語意をもとに、私なりの解釈で、「神迎え」「神降ろし」「神遊び」という石見神楽の世界観も表現しました。

天井にはランダムに行き来する七つの雲があり、これらは「陰・陽・木・火・土・金・水」の神々を指し、四方八方より集う神々と、全国や世界から訪れるお客様とが、カミノチカラ(神の力・紙の力・神の地から)によって巡り合い、喜び合うという願いを込めました。

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粘土造形の様子
とはいえ、制作は始終、てんてこまいでして、、、第1工程の粘土造形は、縦900㎜ ×ヨコ3,600㎜と超巨大であり、使用する粘土の量も通常の神楽面の約200倍が必要でして、それが合計7つですから、粘土量だけでも1年分の粘土を使用したわけです。

さらに、それが乾燥する際に起きる「乾燥割れ」。
これが強敵でして、急激な乾燥は大きなズレが生じてしまい、のちのちの作業に大きく影響します。かといって、ゆっくり乾燥していては作業が進まない。。。それを解決させるために、はじめて「左官」技術を取り入れました。これが功を奏し、夏場の急激な温度変化にも耐え、最小限の縮みで、次の作業にうつることができました。

(画像の粘土型は試作品のため、大きく割れています。)
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もはや、歩くスペースもございません。
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他の制作を一旦ストップさせ、全集中です。
和紙貼りの作業にもなると、もはや歩くスペースすらとれませんから、土台になっているケースをくぐったり、思いっきりジャンプして飛び越えたり、、、少し、あるまじき行為ではありますが、そうでもしないと作業ができない状況でありました。

しかし、この和紙貼りも通常の神楽面の貼り方とは全く異なり、小林工房独自のレリーフ技術でして、「頑丈かつ美しく」仕上げる技法を追求できています。
まだまだ技法の充実度は高くはありませんが、おそらく、この技法があれば、ほかのレリーフ作品にも応用できるのではないか、と感じています。
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娘も手伝ってくれて、「脱活」も完了!
和紙貼りが終わると、「脱活」です。
これも、サイズが特大なので、簡単にはいきません。頭の中では「割れば、軽くなる」と思うのですが、、、そもそも割るまでに時間がかかる。。。

粘土が重すぎてそう簡単には動かせませんし、動いたところで割るためのスペース確保ができない。

そこで頼りになるのは、家族であります。
右へ、左へ、奥へ、手前へと、数人がかりで作業を進めていくのです。結果、最後の方になると、一人で全脱できていましたが、やはり家族の協力は必須ですね。

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脱活後の和紙作品は、「渋止め」を行い、自然乾燥です。
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重さ100キロ近くもあった雲型は、あっという間に1㎏弱の軽さに。
自然乾燥を終え、和紙のみとなった雲型は、まさに夏の入道雲のように沸き立っているようでした。

粘土で造形し、和紙を貼り、元の粘土を打ち壊すことで素地が生まれる、この「石見神楽面」の技法を、私は2016年より「壁画レリーフ」作品として取り組み、発表してきましたが、ここまで巨大な作品は今回が初めてです。
しかし、この仕事をさせていただいたことで、新たな技法や素材の組み合わせ、さらに技術が高まってきつつありますので、今後は巨大な和紙造形物の制作が可能となりました。

和紙レリーフ作家としても、新しい表現分野の開拓を進めていきたいと思います。

ということで、ぜひ、出雲市は神門通りにございます「ホテルKararako」にご宿泊いただきたいと思います。
→https://kararako.jp/
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ホテルKararako
2023年1月10日|カテゴリー「ブログ
謹賀新年

皆様あけましておめでとうございます。

2022年の振り返りもすることなく、新しい年を迎えてしまいましたが、昨年は東京赤坂にて初の個展「カミノチカラ」を開催させていただいたり、3年ぶりの海神楽を開催させていただいたりと、充実した1年を過ごすことができました。

流行りの感染症にかかったことも、今となっては一つの思い出です(汗)。


さて、2023年をどう過ごすか。
細かなことはさておき、まずは、日々の生活の流れを崩さず、健康かつ前向きであること、これに尽きると思います。

縁起物を作る職人であり、作り手の魂が宿る世界で生きています。
製作者本人の内面が充実していないと、「いいもの」は生み出せません。

精神的にも、肉体的にも、「強く」「豊かな」人生にしたいと思っています。

今年は、43歳。
面づくりを初めて32年、工房立ち上げから15年目となります。
やりたいことより、やるべきことが多い今日この頃ですが、「今しかできないこと」は絶対にやっておきたいタイプですので、何かと皆様にご迷惑をおかけするかとは思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

ひとまず、ブログと新着情報をもう少しアップしないといけませんね、、、永遠の課題です。。。

ということで、2023年も小林工房、そして小林泰三を、何卒よろしくお願いいたします。

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昨年(2022年)、12月に「グランドプリンスホテル新高輪(東京)」にて大蛇の展示をさせていただきました。


2022年6月26日|カテゴリー「ブログ
カミノチカラ−小林泰三作品展−
おかげさまで6月19日に閉幕いたしました。
2020年3月に開催予定でしたが、コロナの影響で2年の延期を経てこの日を迎えることができました。
これも主催のOAGドイツ東洋文化研究協会の皆様方のおかげです。
そして、
小林工房の製作において力をかしてくださった和紙貼り職人の方々
材料や付属品の製作をしてくださった職人の方々
差し入れに激励の言葉をかけてくださった方々
子どもの面倒をみてくれた近所の仲間家族
蛇胴蛇頭の貸出に協力してくれた温泉津舞子連中と瓜生山舞子連中の皆
解説文の翻訳をしてくださった皆様
開催のサポートをしてくださった島根県および西部県民センター担当課の方々
DM、パンフレット、名刺を作成してくださった方々
僕が機能不全になったことにより迷惑をかけてしまった青年部理事メンバーや温泉津舞子連中、夜神楽担当の皆様
本当にありがとうございました。
また、会期中にたくさんのお祝いのお花や、お祝いの品物を送ってくださった皆様方、開催前にとても心強く励まされました、本当にありがとうございました。
最後に、妻をはじめ実家の父と兄、東京の次兄家族には言葉にできないほどとても助けていただきました。家族なくしてこの成功はあり得ません。本当に感謝しています。
そして何よりも、会場にお越しいただき、作品をご覧いただいた皆様方、アドバイスや提案をいただいた皆様方、本当に本当にありがとうございました!
まずはこちらにて作品展開催の御礼と閉幕のご報告とさせていただきます。
まだまだこれからな私ですが、引き続きご指導とご支援のほど宜しくお願いいたします。
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ありがとうございました。
次回開催の日をお待ちいただきたいと思います。

2022年6月15日|カテゴリー「ブログ
6月12日(日)より、東京赤坂にございます「OAG(オーアーゲー)ドイツ文化会館」にて、『カミノチカラ-小林泰三作品展-』が開催されております。

主催である「ドイツ東洋文化研究協会」様のご依頼で2020年3月に開催予定でしたが、コロナの影響で2年も延期となっておりました。
今年に入り、「もうそろそろ、実現に向けて話を進めましょう」というお声がけをいただき、この度、無事に開催させていただくことになりました。
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この「カミノチカラ」というタイトルには、

「神の力(カミノチカラ)」と、「紙の力(カミノチカラ)」を、「神の地から(カミノチカラ)」

という思いを込めてつけました。

石見神楽面は、全国的にも珍しい和紙製の神楽面で、粘土で造形した後、石州和紙を幾重にも貼り重ねて仕上げていきます。
そして、生まれる神様の面には、とてつもないエネルギーとパワーがみなぎっており、石見地域では家の玄関や事務所などに飾ることで、家内安全・開運招福・商売繁盛の御利益があるといわれています。
八百万の神々が集う国、島根。

その神の地から、神の力と紙の力を伝えたいと思い立ったのです。



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ポスターです。

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ウェルカムボード的神楽面の「龍神」もいます。


中の展示については、会期が終わったらゆっくりお見せしたいと思います。

それでは、お近くの方はぜひぜひお越しいただきたいと思います。
なお、18日(土)には神楽面の絵付けワークショップがあり、まだ定員を満たしておりませんので、ぜひ、お申込みいただきたいと思います。

2021年11月10日|カテゴリー「ブログ
皆さん、こんにちは。

今日は、小林工房オリジナルの作品をご紹介します。

まず1つ目は、「壁画」です。
神楽面の技法を活用しつつ、和紙のみで仕上げる室内装飾用の壁画(壁掛け)作品です。
壁画といっても、凹凸のある立体作品として仕上げますので、正式には「壁画レリーフ」として、当工房オリジナル作品として手掛けています。

そして、もう1つが「玉龍(ぎょくりゅう)」です。
訳すと、「ドラ〇ンボー〇」になってしまいますが、まさに「龍をモチーフにした球体作品」です。

今日は、この「玉龍」をご紹介します。

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最新作です。(正面の図)

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正面から45度回転

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さらに45度回転(正面から90度)

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正面から180度回転(裏正面)


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裏正面から90度回転(正面から270度回転)

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戻ってきました。(360度回転)

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底面は、このようになっています。

こちらは、今秋に制作いたしました作品で、「椿昇龍にふくろう白髪松づくし」です。
(作品名のセンス感は無視してください。。。)

ご依頼主様より、モチーフの要となる「龍」以外に「ふくろう」と「白髪松」「椿」を入れてほしいとのご要望でしたので、このような作品となりました。


このように、「龍+他2~3点のモチーフ」で制作していきます。

たとえば、
〇名前(花とか、海など)
〇家(屋号など)
〇好きなもの(動物や植物など)
などです。

これらと『龍』を掛け合わせて、「その人だけのための『オリジナル作品』」として仕上げます。


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まずデッサンです。
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そして、造形します。乾燥後、和紙貼りです。



玉龍の制作過程は複雑で、神楽面の技法以外に、とある工芸品の技法を参考にしています。
さらなる技術向上を目指し、勉強のために今冬、現地研修に行く予定です(一人ですが)。

また、和紙も特注品でして、これは、私がいつも頼りに頼りまくっている浜田市三隅町の「西田和紙工房」さんにお願いしています。西田さんの特注和紙は、「そこにあるだけで美しい」のです。だから、壁画レリーフは一切、色を施しません。

しかし、玉龍は彩色を施しています。
その経緯はまたゆっくりと。

ということで、今日は「小林工房オリジナル」として『玉龍(ぎょくりゅう)』を紹介しましたが、小林工房オリジナルというより(そこはむしろどうでもよくて)、「世界中であなただけのもの=オリジナル」を小林工房で作りますということです。

もし、「自分だけのモニュメントがほしい」という方はぜひお問い合わせください。

それでは、また。
2021年9月15日|カテゴリー「ブログ
獅子頭製作日記もいよいよ今日でラストです。

最後の大きな作業が「彩色」となります。
彩色は、職人さんによって作業段取りに差があるとは思いますが、私は先に「箔押し」をしてしまい、その後「本塗り」をします。


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胡粉がけが終わった状態から、次の作業「箔押し」です。
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金箔を押していきます。
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型が大きく、2体ありましたので、3日かけての作業となりました。
とても大変な作業となりましたが、無事に箔押しが終わるとこのように本体のメインとなる色を塗る「本塗り」を行います。

今回のご依頼では、「赤ベース」と「緑ベース」の2体でしたので、そのような配色となっています。
そして色の定着が落ち着くまで2日ほど待ちまして、毛植えとなります。

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毛植えです。
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今作で使用する毛は、通常の馬毛ではなく、麻を染めた特殊な繊維です。
毛植えは通常、馬やヤクなどの動物の毛を使用しますが、今回は麻を使ってほしいとのご要望で特殊な技法により染められた麻の繊維を毛として植毛していきました。

木の繊維ですので、手で裂くことができ、非常に扱いやすい素材です。

昔は、棕櫚の木の繊維を蛇頭の毛に使っていましたが(今現在では、ガッソ=鬼がかぶるかつらにも使用されているところがあります)、麻という手もありますね。いずれ、動物の毛が入手困難になったりすれば、このような素材も視野に入れる必要があるでしょう。



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赤獅子
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青獅子
ということで、獅子頭<特注>の制作は無事に終えることができました。(半年前の話ですが…)

現在も、獅子頭のご注文はいただいておりますが、コロナの影響で披露の場は無さそうです。
しばらく、神社内でその出番を待つことになりそうですね。

さ、今日も「感謝」「感動」「祈り」「創造」を胸に、とにかく前へ前へ進みます。

今後とも宜しくお願いいたします。

2021年9月11日|カテゴリー「ブログ
獅子頭レポート、本日は脱活作業と胡粉塗りを紹介します。

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元型となっている粘土を打ち壊していきます。
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脱活前(左)と、後(右)の様子です。
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その後、「柿渋」を流します。
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流した後は、天日干し。
粘土型は、壊せば簡単に砕けてなくなりますが、たまに打ちどころを誤って素地(和紙)をたたいてしまったり、自分の指をたたいたり、そういう初歩的なミスをすると後々の作業に余計な時間ロスをくらうため、早く終わる作業ほど丁寧にします。

また、柿渋を裏面に塗り上げますことで、より頑丈な仕上がりになります。
これは石見神楽面の技法と同様であります。

さ、このあといよいよ彩色となります。
彩色といってもまずは「下地塗り」。
そう、胡粉ガケの作業となります。

2021年9月8日|カテゴリー「ブログ
粘土造形が終わりますと、次はいよいよ「和紙貼り」です。

いよいよ、と言うほど心構えが必要なのは、そう、根気のいる作業だからです。

和紙貼りは、特別分厚いものを貼るわけではなく、あくまでも通常の神楽面と同じ和紙を使用しますが、回数と貼り重ね方に工夫をし、この大きさにも耐えうる強度を生み出していきます。


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細かなところに、時間をしっかりかけております。
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下あごと耳は別で作っていきます。
和紙貼りも大変ですが、同じくらい「みがき」の作業が大変です。

これはやったことのある人でないとわからないことですが、みがくといってもかなりの力を込めてみがきますし、面積が大きいと当然時間もかかるわけで、それはそれは獅子頭制作の中でも特に「過酷な作業」といえるでしょう。

ちなみに、この獅子頭1体をみがき上げるのに1時間40分かかりました。
それを毎回の和紙貼り後に行うわけです。
それが2体。

この根気のいる作業を経て、強靭な和紙製獅子頭は誕生するのです。

さ、ここまでで全体の4割程度完成ですね。
日数にして約2か月かかりました。

和紙製獅子頭はまだまだ続きます。
2021年9月5日|カテゴリー「ブログ
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特注(特大)獅子頭です。
こちらも遡ること半年前のことですが、獅子頭の特注として、2体制作させていただきました。

久しぶりに制作の流れも紹介しようと思い、今日は「その①」として粘土造形の部分をご紹介します。

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粘土造形の様子です。
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500×650のかなり大きな型です。
特徴的な顔をしていますが、これはもともと江戸時代中期?の獅子頭を模して制作しています。

といっても実物をお借りして制作することができなかったので、ご依頼主様より120枚近い参考画像を送っていただき、制作していきました。

実はなんですが、画像以上に参考になるのが動画なんです。

右から左、上から下と動いたものを見ると、細かな疑問点が見つかり、その動画を見れば見るほど「なるほど!」と解決できる問題が多いのです。

これも現代的といえば現代的で、「楽な手を使っているなぁ」と反省しながらではありますが、より良いものを作るということが大事だと思っております。

ということで、次回は和紙貼りを紹介させていただきます。



2021年9月3日|カテゴリー「ブログ
実に久しぶりの投稿となります。。。

4月までドタバタと過ごしており、あれやこれやとしていたら9月に入りました。

さて、7月の話になりますが、木彫り面の復元をさせていただきました。

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足名椎(元型)

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足名椎(復元)

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手名椎(元型)

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手名椎(復元)

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櫛名田比売(元型)

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櫛名田比売(復元)

木彫り面は経年によって風合いが増し、彫塑による陰影も益々コントラストが強くなっていきます。

和紙で表現する限界はありますが、その「ホリ」にできる限り近づけていく努力をしています。
例えば和紙貼りの時に段差ができないよう重ねを少なくしたり、胡粉塗りの最中に行うミガキの作業でしっかり「ホリ」を表現したり、その作業ごとで毎回「手本(元型の面)」を見ながら調整していきます。

とはいえ、陰影を出す技法として、石見神楽面における「すりこみ(ボカシ入れ)※歌舞伎にちなんで、くま取りともいいます」は効果的なので、あまり強く入れないよう注意しながら、すりこみを入れさせていただきました。

これはあくまでも私の考えですが、「木彫り面と和紙面は別物」として分類するのではなく、同じ「面」として考えると、「この表現はこの道具を使えばできそうだ」とか「この色は木彫り面の風合いがでる色だ」と、その作業や技法をいい意味で変えていける機会になります。

日々感動、日々勉強ですね。

それでは、定期的にアップしていけるよう、頑張ります(笑)。

2020年12月22日|カテゴリー「ブログ
いよいよ年の瀬も迫り、慌ただしい毎日となっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

小林工房も今年はコロナコロナに振り回されましたが、それでも多くのご縁とお仕事をいただき、深く感謝御礼申し上げます。本当にありがとうございます。


さて、今年も残すところあと数日。

昨日は、こちらを納品させていただきました。






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獅子頭1尺(特注品)です。


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右向き

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左向き


こちらは和歌山県のとある自治会様に納品となりますが、
実は、獅子頭制作は1人の力ではどうにもなりません。
いろいろな技術をもった職人さんが関わって仕上げることができるのです。

小林工房では、獅子頭1体を制作するうえで、4人のスペシャリストがおられまして、その力が噛み合って完成しています。

といっても、土台となる型作り・和紙貼り・仕上げの彩色はもちろん自分でやりますので、すべて他力任せというわけでもありません。

個人と総合、両方のバランスが必要なのです。

しかし、獅子頭は難しい。。。
蛇頭よりもサイズが小さいし、型も複雑じゃないから難易度は低いだろうと想像していたら、大間違いです。。。
「なぜ、噛み合わない・・・」の苦悩にこれまでどれだけ悩まされたことか。
和紙の貼り方も考えないと、後で大掛かりな修理をする羽目になるのです。。。

ということで、獅子頭制作についてはまだまだ研究の余地がありますが、石見神楽面式製造工程で仕上げる「獅子頭」に、これからもこだわっていきたいと思います!!



2020年12月6日|カテゴリー「ブログ
だんだんと寒くなってきました。皆様、いかがお過ごしでしょうか。

さて、今、こんなものを作っています。

じゃじゃん!


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お馴染みの


鍾馗ですね。
特に今年は、「鍾馗祭の年」といっても過言ではないほど、その御利益に預かりたいと神楽演目「鍾馗」の上演が数多くありました。

私自身も、今年に関して言うと、鍾馗の注文やそれに関連した要望が過去最高の需要だったように思えます。
その中でも、過去最高に難しい仕事がやってきました。。。

現在和紙貼り中のこのお面、、、普通の鍾馗面を作っているように見えますが、、、実は。。。

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縦5.5㎝×ヨコ5㎝の、超ミニチュア鍾馗なのです。。。


見てください、この小ささ。

そのサイズ、なんと5.5㎝×5.0㎝です(汗)。

もちろん、過去最小の大きさとなるわけですが、どのような形で使われるかは完成形をお待ちいただきたいと思いますが、やりがいのあるとても重要なプロジェクトとなっております。

にしても、小さい・・・。

指が、入らないので、作業は全て「つまようじ」。

この後、「脱活」「胡粉塗り」「彩色」と続きますが、不安な点が多すぎるため、毎日がドキドキです。
そういうスリルを味わうのが、私一番大好きなんですが、その「この先どうなるのか、、、」という不安感も過去最大であります。

ということで、ずいぶん寒さが増してきた日曜日ですが、本日も過去最小で、過去最高に難しく、過去最大にスリル感のある「つまようじワーク」頑張ってまいりま~す!!



2020年11月12日|カテゴリー「ブログ
11月も中盤に入りました。
本来であれば秋祭りシーズンですが、今年は本当に味気ない季節。
とはいえ、色づく秋の景色と、日に日に肌寒くなっていく様に、創作意欲は益々増していっております。

さて、先月の話になりますが、奥出雲地域の団体様より、木彫り面の復元依頼がありまして、無事に納めさせていただきました。


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江戸時代末期の作と聞いております。


非常に古い木彫り面ですが、目力のある凛々しいお顔です。
これは大蛇退治の須佐之男命として使われているそうで、痛みが激しく、保存すべき作品ということで、復元させていただくことになりました。

石見神楽の須佐之男命は、目には金箔が入り、ヒゲが多く、口は歯でしかんだ様子の、なんとも厳ついお顔なんですが、出雲地方の須佐之男命は、こちらの作品のように、より人間味が帯びています。

ゆったりとしたお囃子の出雲神楽において、この面は本当にぴったりハマるので、僕は個人的に大好きなんですが、いざ作るとなると、、、それはそれは大変でした。

目の深みを表現するために、目の穴は3㎝ほど奥行を出していますし、顔料も一切油性塗料を使いませんでした。石見神楽面は口や歯、場合によっては顔全体に油性塗料を施しますが、「これを原点に戻ろう」と、あえて時間のかかる日本顔料仕上げにしたのです。

ということで、復元させていただいた面を紹介します。


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復元後(正面)


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このような形で復元させていただきました。

作りながら、「渡来人系の顔だなぁ」とつくづく感じました。こういう人、韓国映画とかでよく見ますよね。
石見神楽の口上では、
「新羅の国より、この本つ国へと渡り、今出雲の国簸の川上なる鳥上の里に着きて候。」
と述べています。須佐之男命は、出雲の国に入る前に新羅の国にわたられ、そこから船を作って、この出雲の国に着いたと説明しているのです。

昔、この日本は陸続きで、やがて島国となりましたが、私たちの祖先は大陸で生活していた人々に由来していることを考えると、日本誕生の創生に関わる物語で登場する須佐之男命が、大陸の人の顔立ちである方は、いたって自然のことといえるでしょう。

ところで、石見神楽の須佐之男命面の生い立ちについてですが、そこまで古い型ではないように考えています。
私もまだまだ勉強中ですが、おそらく戦後、あるいは昭和40~50年代に今のような面型が完成していったのではないかなぁと推測しているのです。
というのも、明治期に和紙面になった当初、大蛇という演目はまだ1頭、もしくは2頭しか出てこない内容で、面はつけずに舞う、いわゆる「直面(ひためん、あるいは、素面(すめん)とも言います)」で舞われていたそうです。

そして、面が使われるようになってからも、その面はいわゆる「鍾馗面」で使いまわしされていたようで、「須佐之男命」専用の面は、そこまで定着していなかったように思えます。

これに関しては、「いやいや、うちの団体ではもともと須佐之男命の面が存在する!」という団体さんもあると思いますので、正しいか間違っているかという話にしたくありませんが、、、とにかく鍾馗面のバリエーションの割には須佐之男命の面型はそこまで多くないように感じております。

また、どことなく、備中神楽面の須佐之男命に類似している点があるのも注意すべきところです。
歯があることや、マユゲの彩色、目の形などに、垣間見えます。
先人の神楽面職人の方々が、須佐之男命を作る上で、もしかしたら、、、ですが、このような他地域の神楽面の要素も取り入れたのでは、、、と考えています。


それを踏まえると、出雲地方は、初めから「須佐之男命」としての面が存在しており、むしろ、鍾馗面は存在しないわけですから、この須佐之男命面が男面(神面)として主流であるといえます。


このようなことから、私は、「出雲神楽の須佐之男命」をもう少し研究して、石見神楽面の大蛇演目にも適用する面ができないか、、、と考えているところです。

とりあえず、試作品をやってみようと思いますので、楽しみにしていてください。
(期待外れの出来だったら、正直に反応してくださいませ(笑))

ということで、長くなりましたが、復元させていただいた面が舞台に上がる日を楽しみにして、今日も新たな製作に励んでまいります。


ではでは~。


2020年9月7日|カテゴリー「ブログ
お久しぶりな投稿です。

早速ですが、小林工房では、、8月より、毎週日曜日に絵付け体験を実施しております。
場所は、国立公園「三瓶山(さんべさん)」 ※さんぺいさんではありませんので。。。

これは、ワンダートランクさんが企画する1日3〜6組だけのプライベート宿泊プランでして、三瓶山西の原に設置された「北欧ブランドNORDISK製テント」で、ホテルのような快適な空間で宿泊できるものです。
キャンプの魅力である大自然の息吹を感じながら、手ぶらでゆったりと過ごすことができ、かつ、島根の文化や食、風土そのものを体感できるということで、すでに各方面から大注目を集めているそうです。
(スタッフも常駐しており、ファミリーも、女性のみの方でも、安心して過ごしていただけます)

詳しくはコチラ
www.wondertrunk.co/ja/news/3198/

で、その中に「石見神楽鑑賞プラン」というのがあり、毎週土曜日が対象なんですが、その神楽鑑賞の翌日(日曜日)の午前中に「絵付け体験」を実施しております。


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こんな感じで、早朝のさわやかな風を感じながら、、、


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黙々と制作を進めていきます!!


いかがでしょうか。

現在、コロナの影響もあって県内の石見神楽の公演は自粛中です。
一部地域では、9月中旬から再開となっておりますが、秋祭りは軒並み中止となっている状況です。

そんな中、ここ三瓶山での神楽公演はとても貴重な鑑賞の機会となっておりますし、セットで体験できる「神楽面の絵付け」はまさに観光客の方、神楽ファンの方、島根を満喫したい方すべてにとって最高のプランだと思います。

特に、なんとな~くストレスが溜まっている方にはオススメです(笑)。




このご時世で、身も心もキレイになりたいとムズムズしている人が多いと思います、ぜひこの機会に島根でリフレッシュしてみませんか。



なお、「宿泊プラン」とは別に、「絵付け体験のみ希望」という枠もありますので、お気軽にお申込みいただければと思います。


ご予約はこちらまで↓
山の駅さんべ(0854-83-2053)


よろしくお願いします!!

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おいしい空気を吸って、「自分だけの時間」を楽しみましょう!!



2020年6月4日|カテゴリー「ブログ
6月に入りました。

まだまだ経済の動きは鈍く、私たちの分野(工芸・芸能を含む芸術分野)も長期戦が予想されますが、それでもお仕事を多方面からいただいており、心から感謝申し上げます。

さて、先日は恵比寿面の修理を終えました。


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修理前の恵比寿面


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修理後の恵比寿面


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修理前の口元

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修理後の口元


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修理前のアゴ部分


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修理後のアゴ部分


というかたちで、主に口元とアゴ部分の損傷が激しかったので、不要箇所をカットして和紙で補強し、上から全面塗り替えをさせていただきました。

恵比須面は、演目「恵比須」としてどの団体も所有しており、特に日本海に面した島根県にとって恵比須舞は商売繁盛・漁業繁栄を祈願する舞として重要視されています。
まして、恵比須様の総本社が島根県美保関町「美保神社」ですから、なおさらです。

今の日本にとって、この幸せに満ちた表情と仕草は、とても勇気づけられますね。

それでは、6月も張り切ってまいりましょう。


2020年4月28日|カテゴリー「ブログ
皆様、こんにちは。
今日は飾り面のお話を。

いきなりですが、「飾り面の中で、最も位が高く、高貴なもの」をご存じですか。

それは、「鍾馗と鬼一対もの」なんです。
「鍾馗」という演目は、石見神楽の中で、最も重要視かつ神聖視されている演目ですね。

中国、唐の時代の玄宗皇帝が病に伏したとき、病床で夢の中に現れた一人の青年(鍾馗)が、自らの病の根源である疫神を退治したという伝説からきています。

京都では、その昔、とある薬屋に立派な鬼瓦が設置されたのですが、その後、向いの家の住人が病気にかかってしまったため、これを祓い退けるために、鬼より強い「鍾馗」像を構えたところ、たちまち病が治ったという言い伝えから、「鍾馗の鬼瓦」を構えるところが増えたという歴史があります。
「病気を退治する神」という存在だけでなく、「家を守る神」として信仰が深まったわけですね。
(ちなみに京都には「鍾馗神社」というのがあるのですが、これについては、後ほどご説明いたします。)

さて、コロナウイルスの感染拡大で日々不安な日々を送っていますが、この度ご縁をいただきまして、この最上級とされる飾り面「鍾馗・鬼一対」の制作をさせていただきました。



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鐘馗・鬼一対の飾り面


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鬼側


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神側


こちらは、松江市在住のお宅に嫁ぐことになりました。

ちなみに、飾り面における「鍾馗(神)」と「鬼」の左右の配置についてお伝えしましょう。
あくまでも「小林工房における飾り面の配置方法」であり、すべての飾り面がそうであるということではありませんので、くれぐれも解釈の間違いがないよう、よろしくお願いいたします。

通常、神と鬼の面がセットになる場合、向かって「右側」が上位とされますので、右に神(鍾馗)、左に鬼(疫神)を置きます。
しかし、逆の場合があります。それはどのような状態の時か。

答えは、家の間取りです。

飾り面は通常、家の玄関に飾りますが、その玄関から入って「居住空間が右側か、左側か」によって配置が異なります。

玄関入って右側に居住空間がある場合は、「右に神、左に鬼」です。
逆に、左側に居住空間がある場合は、「右に鬼、左に神」です。

では、玄関入って正面ではなく、横の壁側にかけたい場合はどうなるか。
その場合、右側の壁にかける場合は、「右に鬼、左に神」で、左側にかける場合は「右に神、左に鬼」となります。

つまり、居住空間に「より近い方」が神様で、「離れている方」つまり「外に近い方」が鬼になるのです。

節分のときに、子どもたちが大声で叫ぶあの掛け声、、、「鬼は外~、福は内~」の、まさにあの通りなのです。
なので、新築祝いなどで、「鍾馗鬼一対の飾り面を」とご要望をいただいた時には、必ず家の間取りを聞いて配置を決めているのです。
(何度もいいますが、小林工房での取り付け方法であり、全国共通ではありません)

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手書きですみません、要するにこういうことです。


あと、飾り面に欠かせない「板(焼杉の板)」の木目もその方向に従って、右上がりなのか、左上がりなのかが決まります。

こうやって、そのお宅に合わせた配置と思いで制作しているわけです。



いかがでしょうか。

ちなみに、、冒頭でお話した「鍾馗神社」について。


これは、京都市東山区五条坂にございます「若宮八幡宮社」境内にありまして、この「鍾馗神社」は私の母校である「京都造形芸術大学(現:京都芸術大学)」の取り組みにより、平成25年12月に新しく建立されたのです。

そして、こちらもご縁いただきまして、鍾馗面を奉納させていただいてます。


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奥にひっそりと・・・佇んでおられます。


スペースの問題と、屋外という環境のため、「素焼き面」ですが、同じくやきもので制作されている鍾馗像の背後に据えられて、大変光栄なことです。

今度、京都に出向いた時にはぜひとも参拝したいところです!


ということで、今日も一日元気に過ごせました。
当たり前の日常が、いかに有り難いことか、、、こういう時ふと感じるものですね。

1日1日に感謝をし、今日を締めくくりたいと思います。


それでは、また!!
2020年4月13日|カテゴリー「ブログ
皆様、こんにちは。

コロナウィルスによる自粛生活、テレワークなどが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
非日常の日々で、ストレスも増し、我慢の限界、、、という方もたくさんいらっしゃるのではと思います。
こういう時こそ、「共有(情報)」「協力(知恵)」「協同(精神)」の3KYOでいきましょう。
(もちろん、3密を守った上で)

さて、先日アップした「木彫り面の修復作業」が完成いたしました。


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修理前


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修理後


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修理前


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修理後


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修理前


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修理後


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修理前


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修理後


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修理前


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修理後


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修理前


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修理後


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修理前 


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修理後


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という形で修復をさせていただきました。

この制作には、
①内部構造の仕組みを理解し、作業の段取りを考える
②和紙貼りにて全面貼り直し、補強
③下地塗り(胡粉塗り22回+古色塗り13回)
④彩色
⑤毛植え
⑥付属品取り付け(動く眉毛や目と口の銅板)
⑦裏面の処理
⑧紐類の取り付け
という流れで作業を行いました。

ざっと1か月で仕上がる(仕上げる)という見込みでしたが、、、まさかの3か月かかってしまいました。。。

そうです、木彫り面は通常の和紙面と素材も、作り方もすべて異なるため、とても時間がかかるのです。
一番、苦労したのは、彩色と毛植えでしょうか。。。

しかし、その分、初めての経験を積む機会となり、頭も手もフル回転で臨みましたから、本当にいい勉強をさせていただきました。

さ、小林工房的には大掛かりな仕事が次いくつもお待ちですので、、、気持ちを切り替えて頑張ってまいります。


その様子も、また、アップします!

では、今日も一日はりきっていきましょう!!
2020年3月20日|カテゴリー「ブログ
皆さん、こんにちは。

前回のブログで、「本当は3月に東京で個展をやる予定だった」とお伝えしましたが、それに合わせて「壁画」も制作しておりました。

残念ながら、個展自体は延期となりましたが、壁画はそのまま制作を進めております。

全貌はまだ明らかにできませんが、とりあえず、途中の様子を写真に記録してましたので、お見せしましょう。


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こんな感じです。


これは本当に初期段階ですので、全体の配置が定まっていませんが、内容としては「八岐大蛇退治」を表しています。

大きく空いている左の空間に、主役である「須佐之男命」が入りますが、この時点で和紙貼りにはいっているため、画像には入っていませんが、今のところ、こんな感じです。

さあ、仕上がりがどういう形になるのでしょうか。

ぜひ、お楽しみに~。




ではでは。
2020年3月14日|カテゴリー「ブログ
皆さん、こんにちは。

新型コロナウィルス、なかなか収束のつかない状況ですが、いかがお過ごしでしょうか。

実は私、3月に東京で個展を開かさせていただく予定だったのですが、延期となりました。。。
(6月、もしくは11月の開催になると思いますので、決定すればすぐお知らせします)
それ以外にも、市内の絵付け体験やら、出店予定だったイベントも相次いで中止となり、今は専ら工房内で作業に明け暮れています。

さて、そんな今、このような仕事に励んでおります。



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こちらです。


木彫り面の修復作業ですね。

これが実に難しいわけです。
ホリの深い部分をしっかりと残してあげないと、修復した意味がありませんし、その上こちらの面、内部にいろいろな仕掛けが施されておりまして、、、実は口だけでなく、眉毛も目も動くカラクリになっているのです。

ですから、いったん分解して和紙を貼りなおす作業に入るまでに、ものすごく時間がかかってしまいました。。。

内部構造をしっかりと把握していないと、後で仕上げの取り付けをする際に、かみ合わない部分が出てきますからね、慎重に事を進めていかなくてはならないのです。



ということで、仕上がりをご期待くださいませ~。

ではでは。
2020年1月9日|カテゴリー「ブログ
新年あけましておめでとうございます。

2020年が明けて早速、氏神様のところへ参拝に行こうと家を出ると、、、なんと駐車場の片隅に、こんな方がいらっしゃいました。。。



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蛇の抜け殻です。

しかも、ものすごい「うねり」です。



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あまりの存在感に、運命を感じてしまいました。。。



新年あけて、1月1日の出来事です。
しかも、新年祭を終えたタイミングで、出会ったこの奇跡。

もう、私には運命としか思えませんでしたね。

本当は、そのままにして自然に還すべきですが、いかんせん、駐車場の片隅でしたので、このまま車や誰かに踏まれては大変だ!ということで。。。



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まず、氏神様のところに行き、事情を報告。


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そのあと、神社裏の御神木の元に、お祀りさせていただきました。


蛇は、神として崇められ、この石見地方では「大元様」として厚く信仰されています。
しかも、水と土にまつわる動物です、自然と共存する人間にとって、まさに「神様」なのです。


一体、どこからやってきたのかわかりませんが(きっと鳥が口に咥えてたところを落っことしたのでは、、、)、3月に開催予定の個展に向け、「昇竜図」「八岐大蛇図」など壁画制作の仕事が始まる自分にとって、まさに「因縁」を感じる出来事でした。

「見守っているが、道を切り開くのは、おまえ自身だ」

そういわれている気がしました。




さあ、2020年が始まりました!

小林工房、そして、小林泰三。
今年も前へ前へ突き進んでいきます!!




2019年12月31日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは。

あれよあれよ、と2019年が終わっていきます。
今年は年号が平成から令和に変わる、まさに節目の年でした。

小林工房としても、小林泰三個人としても、本当に激動の1年(毎年、言っているような気がする…)でした。
なので、12月31日らしく、この1年を振り返ってみようと思います。



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まずは、3月。

京都瓜生山舞子連中を2008年に立ち上げた、その年。
京都の女子高校で石見神楽を教えてほしいというご依頼をいただいたのですが、その当時の女子生徒の1人が、卒業後も石見神楽に携わってくれていて、今年2019年にめでたくご結婚されたのです!

そうしたところがお相手が沖縄県出身の方で、結婚式&披露宴に沖縄まで行ってきました!
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しかも、乾杯の挨拶を任された私。
2泊3日の沖縄滞在中、ずっと胸がドキドキしておりましたが、なんとか大役を果たせました。

ちなみにこの翌日は、温泉津舞子連中のメンバーの結婚式だったため、披露宴終了後、関空までぶっ飛び、そのまま夜の高速道路をぶっ走り、朝3:00頃に到着して、6時間後には次の結婚式に出席という、とんでもないスケジュールをこなしたわけであります。。。

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そして、4月。

嬉しいことに、昨年の海神楽と夜神楽で、密着撮影してくれた同志「五十川満」さんがフジフィルムのコンテストでグランプリを獲得されたのです。

これを記念して、東京のフジフィルム内ギャラリーで個展が開催されました。
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五十川満さんと。

素晴らしい作品の数々。

石見神楽がこのような形で都心部で認知されることが何よりもうれしいですね。
五十川さんは、9月の海神楽にも来訪いただき、温泉津町内でも小さな展示会を開かさせていただきました。

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そして、4月にはもう一つ大きな出来事が!

なんと、シンガポールで石見神楽の公演に出向きました!
浜田市石見神楽社中連絡協議会の一行に同行させていただき、3日間計5回の公演を盛大に披露させていただきました。

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浜田市の選抜メンバーの皆さんがたくさんいらっしゃる中で、私、恐縮ながら「赤鬼(塵輪)」「白鬼(塵輪)」「大蛇(八岐大蛇)」をフル出演させていただきました。

なんといっても、、、神楽界のレジェンドで、私が幼少のころから追い求めて追っかけ続けた、あの、あの大先輩との塵輪の共演は、私の神楽人生において、間違いなく最大の出来事となりました。

この日を境に、自分自身の神楽観も少しずつ変わってきています。
やはり、人生とは「出会い」だと思います。
改めて、全ての出会いに感謝の気持ちでいっぱいです。

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この3日間は、財産です。
すべての思い出が宝物です。



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また、仕事の方では童面スタイルの赤鬼を40個ご注文いただいたり、

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松江の「一畑百貨店」さんで1週間の展示会に出展させていただきました。

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実演もさせていただきましたし、県内の職人の方々ともご縁をいただいたりと、新しい動きが見えた有意義な時間でした。
ちなみに、この期間中の松江市は、10年に一度しか執り行われない船神事「ホーランエンヤ」が開催されてましたので、ものすごい賑わいでした。。。

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百貨店での展示で言うと、松江以外に、東京「日本橋三越」さんと福岡「岩田屋」さんの2か所でも出店させていただきました。
こちらは、東京の「日本橋三越」さん。
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こちらは、福岡の岩田屋さん。

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そして、この展示会に合わせて、ようやく「壁画」の2号作、3号作を制作させていただきました。

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和紙壁画2号作「昇龍図」

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和紙壁画3号作「八岐大蛇退治」

いずれも、2つの百貨店での展示期間中にご購入いただくことができました。
この実績をもとに、来年から壁画制作にも力を入れて、年に3~4作品は発表していきたいなと思っていますので、次回作をどうぞお楽しみに。



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そして、この夏、小林工房の作業場にはエアコンが一つ導入されました。

「ん?何がすごいの??」と不思議に思われるかもですが、、、これがどんだけ有難いことか。。。
夏はとにかく蒸し風呂状態になる工房内にとって、エアコン・冷蔵庫・アイスクリームは三種の神器なのです。

真夏にも関わらず、地元の電気店さんに無理をいって取り付けていただきました。

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ビフォア

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アフター

毎日が最高です。



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そして、
「夏」といえば、毎年恒例の「海神楽」。

今年で15回目を数えましたが、3年前から9月中旬で開催しております。
しかし、このまばゆい日差し。

今年もなんとか、福光海岸で開催することができました。


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あいにく、夕日は顔をだしてはくれませんでしたが、それでもこの絶景です。

まさに「奇跡の光景」。

このキャッチコピーが、温泉津の神楽の代名詞となっていきそうですね。

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そして、時は流れて11月です。

今年の11月、大きな経験をさせていただきました。
その場所となったのが、ここ、兵庫県にある芝居小屋「永楽館」。

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近畿地方最古と呼ばれる、永楽館。
こちらで毎年11月に開催される「出石永楽館歌舞伎」に、なんとゲスト出演させていただいのです。

あまり、知られていないし、知らせていなかったのですが、こんなすばらしい芝居小屋で大蛇役として1週間出演させていただきました。

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ここが私の楽屋。
隠れ家みたいな空間で、しかもすぐ目の前(舞台ウラなので)では名役者の方々の生々しい声と足音、息遣いが聞こえる中で出番を待つ、、、これまた貴重な経験をさせていただきました。


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で、歌舞伎ってことは役者は誰なのか、、、ってことですが、そう、あの片岡愛之助さん!
きっと、自分はちょい役だからからむことはないか、と余裕ぶっこいてましたら、がっつり共演だったのです。

これには本当にビックリでした。。。

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これもまた、一生の思い出になりました。

新聞記事にもばっちり掲載いただきました!

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そして、12月。

とある地域に、とある勉強のために弾丸2泊3日の旅に出かけました。
本当に、突然決まった「勉強の旅」。

この地で、間違いなく「上には上がいるから、お前はまだまだ努力も経験もたらないよ」という実感を得ました。
これが来年の僕の原動力になります。

まだ、はっきりと言えませんが(なんせ曖昧なことしか考えていないので)、ちゃんと作品として見せれるタイミングになればまたご覧いただきたいと思います。




ということで、駆け足で1年を振り返りました。

まだ、紹介しけれていないことたくさんありますが、とにかく「日々感謝」「日々勉強」という僕自身のテーマそのものの1年でした。
同時に、そのテーマを忘れずに生きていきたいと感じる1年でもありました。

まだまだ、未熟なところがありますが、日々の出会い(人や出来事)に感謝し、いつまでも小学生のような純粋でまっすぐに学ぶ姿勢を持ち、2020年も精進していこうと思います。


2019年。
本当にありがとうございました。

そして、2020年も引き続き宜しくお願いいたします。



令和元年12月31日
株式会社 小林工房
小林泰三


2019年12月11日|カテゴリー「ブログ
12月になりました。
本年は、平成から令和へと年号が変わり、来年には東京オリンピック・パラリンピックも開催されますし、記念すべき節目の年と言ってもいいかもしれません。

石見神楽面は、「新築祝い」「改築祝い」など家の守り神として飾られるものですが、それだけに限らず、「開店祝い」「成人祝い」「退職祝い」「卒業祝い」「誕生祝い」など、人生の節目となるタイミングで贈られる贈答品として、重宝されています。

令和元年の記念に、ぜひご自宅やお勤め先、あるいはお取引様への繁盛繁栄を祈願して、石見神楽の飾り面はいがかでしょうか。きっと「氣」の流れが良くなり、皆様のところへ幸と福が舞い込んでくれるはずです。

ということで、現在、小林工房に展示してあります商品をご紹介したいと思います。


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まずは、飾り面からご紹介いたします。


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<飾り面>鍾馗(冠なし)37,000円(税別)

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<飾り面>大国主命(鬟付き)42,000円(税別)


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<飾り面>恵比須(事代主命)32,000円(税別)


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<飾り面>大黒恵比寿セット65,000円(税別)


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<飾り面>中般若40,000円(税別)


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<飾り面>般若(小)36,500円(税別)


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<飾り面>須佐之男命(小)34,000円(税別)


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<飾り面>姫27,000円(税別)


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<飾り面>猿田彦命(大)55,000円(税別)


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<飾り面>荒神面(石見型)58,000円(税別)


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<飾り面>荒神面(大田型)65,000円(税別)


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続きまして、こちらショーウィンドウに飾ってある面は、「舞面」です。舞台用になっています。
舞台用は、裏面に防水のための塗装が施されています。飾り面と作業工程は同じですが、少し頑丈に作られています。

舞面ではありますが、こちらの商品でも板に取り付けることで、飾り面として扱うことも可能です。

別途板代が加算されます(2,000円~3,000円程度)。


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こちらは、神面と福神面、尉面です。いずれも25,000円~32,000円(税別)です。
右上の鬼は、雌型男鬼(緑)で、こちらは58,000円(税別)となります。

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こちらは、上段右が特大般若65,000円(税別)で、大きさが65㎝くらいあります。
上段左側の鬼が、酒呑童子で72,000円(税別)です。

中段には、神面(ベシミ系)が並んでおり、右から天皇33,500円、中央に鍾馗42,000円、左が須佐之男命35,000円となっております。

下段に立てかけてある、ミニチュアの飾り面(般若と須佐之男命)は、額の大きさが200㎜×200㎜で手のひらサイズとなっており、金額はいずれも12,000円(税別)となっております。

いかがでしょうか。

まだまだ、年末、年度末に向けて飾り面も舞面も充実させていこうと思いますので、宜しくお願いいたします。

基本的には受注制作がメインのため、ご予算や内容(板の大きさや面の種類)などを教えていただければ、こちらから候補を挙げさせていただき、ご依頼に合った商品を提示させていただきます。


お気軽にお問い合わせいただければと思いますので、宜しくお願いいたします。
2019年4月4日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは。

新元号も発表されたということで、久しぶりの投稿です。

2018海神楽の公式カメラマンで、密着撮影してくれた「五十川満」さんが、この度FUJIFILMコンテストでグランプリを獲得されました。これを記念して4月1日~4月30日まで東京:丸の内の「FUJIFILMイメージングプラザ」にて写真展が開催されることになり、早速初日に行ってまいりましたよ。


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入口には、大元神楽市山神友会さんの「鐘馗(疫神)」です。

五十川さんとは、昨年の海神楽で初めてお会いしたのですが、もうすでに戦友のような存在であり、私が言うのもなんですが、「プロ中のプロ」と紹介するのが一番ふさわしいと思っています。

早朝一発目の朝日を撮影するために、前日から寝袋を持参して、山に籠って撮影したり、舞台正面とサイドと、舞台ウラを撮影するために8時間近く走り回ったり、ひと時もカメラを手放すことなく、決定的な瞬間をバシャバシャ撮っていました。

おにぎり食べながら、隣の人と雑談しながら、、、というような、呑気な撮影など一切ありません。舞手や自然そのものの呼吸とともに身を置く、という撮影スタイルなのです。

なので、その躍動感はもちろん、作品そのものに命が宿るというか、ぜーぜーはーはーという息遣いがまさに聞こえてくる作品ばかりなのです。


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ギャラリー内は撮影&投稿OKとのことで、少しお見せします。


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こんな風に、「日常」「非日常」の舞手の姿も並んでます。



ということで、全部お見せするにはもったいないので、やっぱりギャラリーで直接見ていただきたいなと思っています。

もちろん、東京まで行けないよ~という方々のために、何とか島根(あるいは温泉津)で鑑賞できる機会を作りたいと思っていますので、乞うご期待ってことで、もうしばしお待ちを。


とりあえず、東京まで見に行けるぞって方は、こちらをチェックしてくださいませ
https://imagingplaza.fujifilm.com/gallery/13/index.html


皆さまのご来場をご本人様に代わって、お待ちしております。


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開催は、4月1日(月)~4月30日(火)までです!!


2019年1月14日|カテゴリー「ブログ
新着情報にも上げましたが、来たる1月26日(土)に東京「島根イン青山」にて、『神楽面の絵付け体験』を行います。

今年度2度目の東京開催となりますが、今回はたっぷり時間も頂戴してますので、具体的なテクニックや参考資料なども豊富に揃えていこうと思っています(あくまでも予定です)。

今年1年の無病息災、招運来福、家内安全を祈って、自分オリジナルの神楽面を製作してみませんか。世界に一つだけの「守り神」を作ることができますよ!

それでは、以下詳細です↓
 

「石見神楽面の絵付けワークショップ」
<日 時>2019年1月26日(土)14:00~16:00(受付13:45~)
<場 所>島根イン青山 2F会議室(東京都港区南青山7-1-5) http://www.shimane-inn.com/
<定 員>10名 ※事前予約制
<参加費>8,500円(当日受付にてお支払いください)
<講 師>小林泰三氏(神楽面職人)
<お申込:事前予約>メールにてお申込ください。
※参加人数・氏名・電話番号を明記
E-mail:kogayukinet@gmail.com(担当/小加本)
<主 催>石見神楽東京社中
 
定員になり次第締め切りとさせていただきます。
 
ちなみに前週に開催される「神楽の手道具作り(参加費2,500円)」にも参加されれば、セット参加費となり、道具づくり 2,000円/面の絵付け 8,000円でそれぞれ500円割引となりますので、ぜひ、合わせてご参加くださいませ!!

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自分だけのオリジナル飾り面ができます!!

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皆で作るととても盛り上がりますので、ご家族ご友人をお誘いあわせでお越しくださいませ!!

2019年1月6日|カテゴリー「ブログ
2019年の幕開けとともに、2018年の作品をアップしました(遅っ)。

2018年もたくさん制作させていただきましたが、既存の型を少しひねったもの、同じ型を何十個も、、、という注文が多く、このギャラリーに掲載しにくいものが多いのですが、全く新しく製作させていただいた新規のものをなるべく掲載させていただきます。

ご注文の際は「小林工房HPにある、ギャラリーの○○面」という形でお問合せいただければ幸いです。

ということで、ごゆっくりご覧ください。

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15点アップしました。
2019年1月1日|カテゴリー「ブログ
皆様、あけましておめでとうございます。

結局、今年もブログをほとんど(というか、全く)書くことなく年が明けてしまいました。
が、振り返ってみますと、2018年はとにかく「縁(えん)」というエネルギーを感じる1年であったと感じています。

何と言っても、9月15日・16日に開催いたしました「海神楽2018」は、念願のインドネシア伝統舞踊である「バリ舞踊・ガムラン」とのコラボレーションが実現し、しかも、この5年間毎年のように顔を合わせてはお互いの夢を語っていた「EXILE ÜSAさん」との共演も果たすことができました。

「夢のまた夢」

そう考えてるだけでしたが、不思議なもので自然と巡り合うためのシナリオが勝手に進んでいた感じがします。
これが「縁」というのでしょう。

面白いもので、次は何をすべきか、何をやりたいのかが明確に頭の中に浮かんでいます。
考えなくても、すでにその方向に物事が進んでいっています。
なので、その流れに逆らうことなく、具体的に前に進んでいけたらいいなと思っています。


しかし、本業である「小林工房」は課題が多く残る1年でありました。
まだまだ見直すべき点は多々あります。
商品のバリエーションも、質を上げる努力も、もちろん制作段取り全てについてツッコミどころ満載な1年で猛省しています。

2019年は、もう少し経営にも力を入れて、より幅広く素早く仕事がこなせれるように、自分で自分を評価&プロデュースしていきたいと思っています。

とりあえずは、「壁画」制作と、「絵付け体験」の拡充、舞面飾り面のレパートリー増加を目指していきます。

ということで、まだまだ、発展途上な「小林工房」ですが、今後とも御贔屓賜りますよう、心からお願い申し上げます。
皆様にとっても、より良い1年となりますこと、心よりお祈り申し上げます。


平成31年1月1日
株式会社 小林工房
代表取締役社長 小林泰三


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謹賀新年 平成31年1月1日
2018年6月30日|カテゴリー「ブログ

みなさん、こんにちは!


久しぶりの更新が、「海神楽」の開催直前の記事になってしまい、申し訳ありません。


ついに、今週末となりました、「海神楽2018」。今年は2日間連続公演、しかも豪華ゲストをお招きしてのスペシャルすぎる公演となっています。



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2005年の「福光海岸」(海神楽会場)


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こんなに浜も広がっております。


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でも、開演後なのに、誰もいない客席。。。


この企画、私が勤めておりました「京都造形芸術大学」の有志学生たちと、温泉津町の若手有志の皆さんと共同で2005年に始めて企画開催いたしました。

数人の学生で、事前視察をした際、会場となる「福光海岸」の沈みゆく夕日を見て、「ここで神楽とか、芸能が見れたら、最高ですよね!」となって、そんな程度の会話から実現しました。

当時は、関係者といっても数人です。

本当に、身内で楽しむような内容でした。告知も今のようなSNSとかありませんでしたから、「今日、やりますので見に来てください!」って近所の家々に声をかけて回ったくらいです。

案の定、開催時間には1人とて、観客はいらっしゃいませんでした。。。


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8年後の2013年の様子。


年数を重ねることに、その壮大かつ幻想的な光景が「おもしろいイベント」として取り上げられ、新聞やテレビの取材も受けるようになり、町のイベントとして定着していきました。


簡単に言うてますけど、ここに至るまででもいろんなことがありすぎて、とても全て語ることができません(日が変わります)。

なので、今日はとにかく、これだけは言いたい。




時代も変わり、やり方も変わり、浜はどんどん浸食されてほとんどない状態で、状況も年々変わっています。



ただ、「温泉津の若者たちが作る『マツリ』」に何ら変わりはありません。


「祭」を、祀るとか、奉るとかいって意味を深めることはできますが、ある民俗学者の先生がおっしゃっていました。「祭りの本当の意味は、『間吊り』なんだ。」と。

そう、人と人との間を保つもの、なんです。


祭をどんな簡素にしようたって、結局、動くのは人間です。

といっても、外からやってきた頭の偉い人たちだけでは、うまくいかないのです。



その土地に生きて、その土地で生き続ける若者たちがいてこその、「祭り」なのです。





今年の海神楽、色々な方々が関わっているため、いつも海神楽にはない労力が発生しています。それがめんどくさいというわけでなないのですが、「あぁ、結局やるべき立場の人間って、自分たちなんだな」と痛感いたしました。

でも、数ある海神楽の中で、今年、こんなに盛大にできるのも、間違いなく外から応援してくださる皆様のおかげ。

ただ、批判や愚痴を言うのではなく、私たちが権力的にではなく、精神的に強くなり、何を大事にして、何を伝えたいのかをはっきりさせるいい機会だと思っています。




なんだか、とりとめのない話になりましたが、結局、結論としては、あの2005年から、変わらず関わってくれてる人って、「温泉津の若者」たち、つまり仲間なんです。

浜もなくなり、当時交流していた京都の学生も開催時期がズレたことで来れなくなり、いろいろなくなってるものありますが、結局、最後まで隣で一緒に汗を流せているのは、同じ地域に住む、同志たちです。


そのことに「日々感謝」しかありません。


「一生感謝」です。



ということで、私たちの友情と覚悟を感じていただければ、それが本当の海神楽だと思います。




9月15日(土)、そして16日(日)。


いよいよでございます。
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2017年12月31日|カテゴリー「ブログ
皆様、いよいよ新しい年を迎えようとしています。

皆様にとって2017年はどのような1年だったでしょうか。


小林工房にとっての「2017年」は、本当に、本当に大きな成長の機会を与えていただいた1年となりました。


2月・・・地元「厳島神社」様の猿田彦面の復元をさせていただきました。

3月・・・大田市内の神社様のご依頼で「獅子頭」の復元をさせていただきました。

4月・・・出雲市に建てられた旅館「いにしえの宿『佳雲』」様のご依頼で初めて取り組んだ「八岐大蛇壁画レリーフ」、そして併設されているホテル「月夜のうさぎ」様のフロント横に設置された、「照明式和紙作品」を製作させていただきました。

6月・・・出雲市内の警備会社様のご依頼で、飾り面「鍾馗面」をまとめて26個納品させていただきました。

9月・・・この月は本当にハードでした、海神楽+蛇頭2体と獅子頭2体納品、さらに温泉津舞子連中の出演が例年になく増え、おまけに遠征で佐賀県にも行きました。

10月・・・この月もやっぱり忙しかった。。。特にこれ、ってことではなく、よく思い出せないんですが、とにかく毎日ドタバタしていたような気がします。



そして、その忙しさを引っ張ったまま、ついに2018年を迎えようとしています。



しかし、私の人生のスローガンである「日々感謝」「日々勉強」という言葉がぴったりな1年であったことに違いはありません。


念願だった、本当に念願だった和紙造形作品「壁画」に取り組まさせていただけたのも、多くの皆様方のご支援とご協力、そして私に賭けてみようと思ってくださったご依頼主様のおかげに他ありません。

その期待を裏切らないよう、「おっ、小林はまた面白いことやってんな」と思われるよう、「誰もやったことがないこと」ではなく、「私にしかできないこと」を目指し、頑張ってまいります。


ありきたりな言葉になりますが、これからも一生懸命頑張ります。
あとは、結果をみて判断してもらえるようになります。


ということで、2017年も「小林工房」を応援してくだった皆様、本当にありがとうございました。来る年もまた、引き続きのご愛顧賜りますよう、お願い申し上げまして、2017年の締めくくりのご挨拶とさせていただきます。


深謝


2017年12月31日
(株)小林工房
代表取締役 小林泰三


2017年11月13日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

今日はお知らせです。

小林工房前の道路が現在工事中です。

店には入ってこれますが、状況によっては、大きなトラックが入っていますから、その場合は工事されている方に「小林工房に行きたいんですが」と声をかけてください。すぐ避けてくれるはずです。

なお、工期は3月末(予定では3月20日となっています)。

しばらく、ご不便をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。


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2017年11月9日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは。

もう11月、あっという間に年末を迎えますね。

さて、小林工房では、新しく製作する「パンフレット」および「カタログ」製作を行っています。今日もその撮影のため、朝から夕方まで撮影でした。完成は、年明けになりますが、どうぞお楽しみに。


ということで、本日の作業場をパシャリ。


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石膏型と粘土造形する部屋です。昔は「稽古場」として建てられた部屋です(汗)。。。


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こちら玄関です。一応、ショールームって名前ですが、くつろぎの空間にて、毎日コーヒー飲んでます。。。




ということで、また次回~~~(笑)!!


2017年11月1日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

ここのところ、夜遅くまでの仕事が続いています。はぁ~、早く帰ってビール飲みたい(笑)。

とはいえ、この怒涛な日々も、あと少しで落ち着きます、ふ~~~。



さて、先日は、「第42回陰陽神楽競演大会」に出店依頼をいただき、行ってまいりました!!


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出店の様子です。

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2人のアシスタントちゃん達も頑張ってくれました!!


42回も続いているだけあって、前日から列ができるほどの人気なこの競演大会。

県内では数少ない、優勝団体(個人賞も)を競い合う、県内屈指の「競演大会」。

広島と島根から約10団体がその洗練された美しい芸を見せ、会場も大いに沸いていましたね。



そして、小林工房では、「神楽面の展示」「玩具面の絵付け体験」、そして、今回、満を持して新商品を発表いたしました!!


その名も・・・「童面(わらべめん)」!!


ちょっと言いにくいですが(汗)、熱狂的な神楽っ子のために、「安くて本格的な面を!」という目的で作ってみました。とりあえず、「鬼(白、赤)」「般若」「恵比須」「狐」の4種類を作ってみました。これから、「姫」「神」「猿」など子どもが喜びそうな面を増やしていこうと思っています!



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白鬼(税込価格 8,640円 )

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赤鬼(税込価格 8,640円 )



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般若(税込価格 8,640円 )

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恵比須(税込価格 7,560円 )

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狐(税込価格 9,180円 )

8,000円~9,000円は、ちょっと高いなぁ~、、、と思われるかもしれませんが、これ以上下げることはできません・・・お許しください。。。

それでも、ちゃんと石州和紙を使い、胡粉塗り、金箔仕上げという、製造工程としては一切の妥協をせずにやっております。そのこだわりには絶対的な自信とプライドもってやってますので、この金額の価値は十分にある!と自負しています。



神楽っ子を持つお父さん、お母さん、そしておじいちゃんにおばあちゃん。



ぜひ、子どもや孫に「本当の神楽」「本物の神楽面」を触れさせてあげてください。ふるさと教育は僕たち大人の「本気度」によって進んでいきますから、ちょっとお高いイメージかもしれませんが、何にしても本物を持たせることが一番の教育だと思っていますので。


ということで、陰陽神楽大会の出店も、おかげさまで大盛況のうちに終えることができましたし、この「童面」も新登場しましたので、これからがまた楽しくなりそうです!!


これからも小林泰三、面白いことどんどんやっていきますので、何かリクエストとかあれば教えてくださいね!!



ということで、今日はこのあたりでさようなら~~~。

2017年10月19日|カテゴリー「ブログ
久しぶりのブログ更新です。

海神楽も無事に終わり(遅っ)、怒涛の10月を過ごしております。

9月は3頭の獅子頭製作、10月は2頭の蛇頭に1頭の獅子頭製作、、、なんとか終えることができました。。。
とはいえ、まだまだ10月納品のお仕事が20近くありますので、休む暇など全くありません。本当に有り難いことです。

さて、そんな中、蛇頭の修理をさせていただきました。

以前のブログに書きましたとおり、修理はいろいろな発見と可能性にあふれた仕事です。
「なるほど!」「やっぱり!」「えぇ~!」という感じで、たまにドデかいため息もつきますが(笑)、1作業終えるたびに多くのことを勉強させていただいてます!

今回、こちらの蛇頭をこのように修理させていただきました。



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こちら修理する前の状態です。


20~30年くらい前の作品でしょうか、画像ではわかりにくいですが、後頭部や口の中の損傷が激しく、塗装も剥がれていたため、この度、修理依頼をいただきました。

内容としては、①色の塗り替え(茶から黒へ)、②目玉の取り換え(プラスチック製からガラス製へ)、③破損部の補強を行いました。

目玉については、プラスチック製が軽くて扱いやすいのですが、私は、ガラス目玉のあの光沢と、照明に当たった時の乱反射による「涙目(目玉がウルウルするんです)」になんともいえぬ魅力を持っており、そこは重かろうが割れようが、こだわりを持って「ガラス玉」にしています。

ということで、全修理させていただいた様子をご覧ください!!


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いかがでしょうか。

自分でいうのもなんですが、大きく生まれ変わったと思います。

特に目玉は「八方睨みの眼」をいつも意識しており、顔が真横に向いていても目が合うようにしています。やりすぎると目の焦点があってないように見えるので、とても難しいのですが、この作業に2~3日費やすほど力を入れています。

色も漆黒の艶が出て、輝いていますね(自分でベタ褒め…)。

彩色は黒に相性のいい色を選んで塗るようにしています。黒は、特別相性の悪い色はないのでなんでも合うんですが、朱赤に金色を散りばめ、ところどころにえんじ色(本朱色)が入るようにしています。

一番、色で遊べるのは「緑」だと思います。
「茶」を合わせると森から出てきた感じになりますし、「黒」にすると蛇胴の最も基本的な組み合わせの配色となります。(大蛇はもともと緑しかいませんでした、その当時からくすんだ緑に黒い線が入った蛇腹が愛用されていました。)

難しいのは、「紫」です。

なかなか蛇胴と同じような紫色をまだ開発できていません。。。どうしてもくすんでしまうのです。これは私の課題ですね。

さ、ということで、今日は蛇頭の修理を紹介させていただきました。


また、面白い仕事をお見せしたいと思います!
ではでは、今日はこのへんで~。


2017年9月22日|カテゴリー「ブログ
さあ、いよいよ、明日に迫ってまいりました、「2017海神楽」!!

今年は、開催日を9月に移動しましたので、いろいろと段取りが変わっていますが、、、気持ちは何も変わっちゃいないっす!!

13年前の2005年に第1回をやっていますが、純粋無垢な僕たちのハートはそのまんまです!!

だからこそ、継続していけるんです。とかく、「予算が・・・」「条件が・・・」「やる人間が・・・」で企画倒れしていくイベントやお祭り多いですが、温泉津メンバーは皆「動いて、感じて、熱くなれ」精神で生きていますから、「年齢?」「自分の仕事?」「台風?」などなど、できない理由なんて基本的に無視です。「できるように自分で動く」ことしか考えません。てか、考えれない人、生きていけませんから。


そんなこんなで、熱いハートの男たちは今日もひと汗、いや百汗かいてきやしいた(汗)。。。



明日に向かって、準備は万端でございます。


どうぞ、皆様、明日は「福光海岸」までお越しくださいませ!!


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準備完了。画像左側に組まれている単管が、舞台となります。この角度が最高です。


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奇跡の光景を目にするのは、あなただ!!


2017年9月20日|カテゴリー「ブログ
皆さん、こんにちは!

先日の台風、皆様の地域は大丈夫でしたか。

私の住む温泉津町では目立った被害もなく、周辺のイベントでは「台風のため中止」という判断が広がる中、温泉津夜神楽については予定通り開催するほどの度胸。。。

というか、怖いもの知らず。。。


しかし、この台風の中でも、夜神楽を観たいがために宿泊予約をされた旅館宿泊客の方々が多く来場され、それはそれは大変喜んでくださいました。


開催するかしないかで主催側とちょっと言い合いになりましたが、やっぱり、やって正解だったようです(笑)。



さてさて。

そうこうしているうち、ようやく、獅子頭が完成いたしました!!

粘土をおこしてから約2ヶ月。2体、無事に完成でございます。



では完成品をどうぞ!!


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1尺2寸型 獅子頭(黒毛)


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左向き


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右向き


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1尺2寸型 獅子頭(白毛)


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左向き


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右向き


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2体、完成でございます。
(下あご、耳が可動式です)


という感じで、仕上がりました!


一見、「蛇頭より簡単そう」と思われるかもしれませんが、実は違うんですよ。


めちゃくちゃ難しいんです。

まず、①指定の寸法に合わせないといけません。
→粘土の収縮も把握したうえで、底辺・奥行・高さ・幅など、それはそれは緻密な計算がいるのです。

②和紙貼りは超丁寧にしないといけません。
→見た目は蛇頭は複雑、獅子頭は単純、、、に見えますが、ところがどっこい、フラットな部分が多いからこそ、デコボコしないように平らに貼らないといけないのです。これが実に難しい。。。

③かといって、薄いとダメ。頑丈に貼らないといけない。
→仕上がりをきれいにしようとすると、当然薄い和紙を何枚も、、、となりますが、それを繰り返していてはどんなに早く注文を受けていても、年をまたいじゃいます。なので、厚手の和紙をしっかり伸ばしながら、「ある方向、ある角度」に入っていくように貼っていくのです。これは口ではうまく説明できませんが、そうすることで上から落としてもヘコまない頑丈さを手に入れることができます。

④金箔の箔押し
→正直いいますと、この「箔押し」が獅子頭で最も大変です。
とりあえず、貼る場所が多い。そして、丸いところもあれば、ものすごく窪んだところもあります。長~く連なっているところもあります。おそらく、この作業だけで6時間はかかっています。。。これを何とか半分の3時間に短縮できるようになること、これが目下、私の課題です。

⑤組み立て
→彩色が終わって、毛植えも終わって、「よっしゃ、終わった!」、、、なんて気楽なことが言えないのが獅子頭制作。
こっからが大変なんです。
下あごと本体、さらに可動式となる「耳」部分の取り付け作業が入ります。
下あごは「かみ合わせ」、「開閉の滑らかさ」、そして時には「(高い)音が出るように」という、レベルの高い注文もあるのです。
この作業は、口で言うとそんなに時間がかからないイメージですが、1~2ミリの誤差があとで大変なズレとなって表れてくる作業のため、仮テープ(マスキングテープ)を使って、仮止め、仮止め、仮止め、、、と念には念を入れて固定させていきます。

(過去、全部取り付けて、ほんの数ミリの噛み合わせが悪く、全部取り外して1からやり直したこともあるほど、最終的に一番目立つ作業となるんです。)


ここには書ききれないほどの失敗と、そこから学んで得た「コツ」「テクニック」を経て、ようやく獅子頭は生まれてきます。

普通の神楽面に慣れていると、間違いなくギブアップするであろう「獅子頭」ですが、今ではとても楽しく作らさせていただいてますね。

ただ、まだまだなんです。



作り終わって、やっぱり「ああ、ここはこうした方がいいな」と思えることが、山ほど。

だからこそ、「どうすれば、美しく仕上げられるか」という課題は永遠についてくるでしょう。それほど仕事の丁寧さ、雑さが一目瞭然となるのですから。


ということで、まだまだ発展途上にある「小林工房」ですが、石見神楽面職人唯一の獅子頭制作に取り組む店として、これからも「獅子頭」制作には力を入れていこうと思います。



お祭りなどで傷んでいる獅子を新しくしたい、軽くしたい、などのご要望がございましいたら、お気軽にお問合せいただきたいと思います。


さっ、ということで、今週は「蛇頭」制作をやり遂げますよ~~~!!



2017年9月16日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

台風が近づいてきてますね、大雨強風があると小林工房は「沈没」「雨漏れ」の危険性があるため、毎回ヒヤヒヤです(汗)。


さて、現在製作中なのが、これ。
『獅子頭』です。


この度、2体ご注文をいただきましたので、それぞれ地味~に進行中です(笑)。






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右側はほぼ完成、左側はこれから彩色です。


小林工房の獅子頭は、和紙製です。

持ち手の部分のみ、木枠・木柱が入っていますが、あとはすべて和紙なので軽さが特徴です。
強い衝撃を受けると、当然、塗料が剥げたり、へこんだりしますが、木彫りのように「割れて修復不可能」ということにはなりません。少々の年数であれば、その後も引き続き使用できます。
(ただし、限界の域を超えると修理は不可能となりますので、新規で制作することになります)

当工房では、塗料も既存の石見神楽面のものを扱わず、なるべく衝撃に強いものを使用しています。

なので、左側の彩色途中のものは色がグレーになっています、この下にはまた別の下地塗料が塗ってあります。

そして、赤い部分にこれから金箔を貼っていくのですが、これが大変な作業でありまして、、、軽~く5時間作業であります(笑)。耐えられる人のみができる作業ですね。。。



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ということで、出来上がるとこんな感じになります。


連休明けには完成です。

さあ、連休中も仕事に励みますよ~~~!

2017年9月7日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんばんは!

この夏に、新しく「恵比寿大黒(大)」セットを作り直しました。

もともと、10年前に制作していたものがあったのですが、とあるお客様から「恵比寿大黒のセットがほしい」と言っていただき、「よし、この機会に作りなおすぞ!」ということで、型から作り直すことにしたんです。

で、完成したのがこちらです。


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【新】恵比須大黒(大)セット (額サイズ 60㎝×40㎝)



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左向き


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右向き


こんな形に仕上がりました。

ちなみに、これまでの型は、こんな感じでしたよ。


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10年前の作品です。



この作品に比べ、今作では、目や口、顔全体のバランスを整えたつもりです。


しかし、10年前かぁ。。。


今思い返すと、この当時は「結構、自分、いいところまで出来ているんじゃない??」なんて、自画自賛してましたが、なんだか恥ずかしくて、笑えてきますね(汗)。。。


でも、「たかが10年、されど10年」なんでしょう。


確実に一歩一歩進むことの重要性を、過去から学ぶことができます。
そして、今の自分に決して満足しないこと。これに尽きるかな(笑)。


きっと、今作を10年後の私が見て「なんだこりゃ」と言うと思います。というか、言えるようにもっと成長していないといけないのです。



ということで、小林工房では、現在、「恵比須大黒(小)セット」もおいてありますよ!




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恵比須大黒(小)セット (額サイズ 40㎝×35㎝)



さらに、冠はついていませんが、「恵比須」の単品もございます。


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恵比須(冠なし、単品) (額サイズ 35㎝×30㎝)


恵比須様、大黒様のご注文は非常に多いです。

特に、観光客の方々は圧倒的にこの飾り面をお求めになられますね。

しかも、予算的に10,000円台のもの。



そういうご要望も受けて、「恵比須大黒(小)セット」は16,000円(税別)で販売しております。
ご興味を持たれた方は、ぜひお問い合わせいただきたいと思います。



小林工房では、このような形で、なるべく幅広い世代、用途に合わせて商品作りをしていきたいと考えておりますので、「こんな面を、このくらいの予算でほしい」などありましたら、お気軽にお問合せいただきたいと思います。


ということで、今日はこのあたりで!


2017年9月3日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんばんは!

8月が終わり、9月に入りましたね。

小林工房は、全くスピードが緩むことなく、ほぼ全力疾走で毎日を過ごしております(汗)。


さて、先日は獅子頭の納品がありました。
こちらです。




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獅子頭(1尺2寸型)


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獅子頭(1尺2寸型) 左向き


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獅子頭(1尺2寸型) 右向き




これはもともとの寸法が1尺1寸だったものを、1尺2寸に大きくして「復元」させていただきました。

獅子頭の復元は容易なことではなく、粘土で作り上げる時点で、最終的な寸法にしていくために、粘土の縮小も考慮して、かなり緻密な計算をしながら作業をしていかなくてはいけません。

文系でも、理系でもない、造系の私にとっては、過酷な時間なのです。。。


ですが、これもお仕事です。修行の一つでもあります。「日々勉強」の精神でとにかく数字とにらめっこしながら、毎朝、粘土型と向き合ってきました。


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通常時


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耳部分、可動時


さらに、この獅子頭は耳の部分が動く「可動式」なのです。

口だけでなく、耳の可動部分については、地元の大工さんにも協力してもらい、特注の木型を制作してはめ込んでいます。が、そう簡単には和紙型と一致しないので、ちょっとしたテクニックが必要になります。

何はともあれ、無事に納品できて一安心ですが、課題は山積みです。
全力で最大限の力を注ぎましたが、まだまだ習得しなければいけない技術がたくさんありますね。


なんせ、獅子頭の製作し始めてまだ8年とちょっとです。

この獅子頭制作を極めるべく、もっともっと研究していこうと思っています。


「獅子頭といえば、小林」と言われるまで、頑張りますよ!!




では、今日はこの辺で、さようなら~~~。




2017年8月10日|カテゴリー「ブログ
みなさん、おはよございます!

今日は朝いちばんの投稿でございます!!

さて、2月から取り掛かっていた「チリトリ面」が7月末に無事完成いたしました~~~!

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縦×横ともに50㎝という巨大な面を、合計5つという大仕事!

今年の3月~4月は、小林工房かつてない忙しさのため、全く作業できず(汗)、和紙貼りを終えれたのは6月のこと。

そこから胡粉塗り30回を繰り返し、それぞれの配色にしていくわけです。



チリトリ面は、東・西・南・北・中央、春夏秋冬土用を司る神ですので、彩色の色は「青・赤・白・黒・黄」となります。
これは皆さんよくお馴染みの「五色旗」(お祭りなどで立てられるのぼり旗)と同じ意味合いですね。
お面の顔をそれぞれ色違いにすることで、方角と季節を表現しているわけです。

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五色に塗り分けられた、「チリトリ面」たち。

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その後、彩色が施されまして、、、。

チリトリ面最大の特徴である、眉毛やヒゲの渦模様を彩色し、いよいよ完成であります!!


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春青大王


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夏赤大王


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秋白大王


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冬黒大王


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そして、最後に五郎王子である「埴安大王」


ということで、無事に完成いたしました!!

何といっても、顔の表情は同じでも彩色一つで「性格」「風格」が変わっていくということが、最大の魅力であり、また難しいところでもあります。

ぶっちゃけた話、このうちの何枚かは色が気に入らず、2度やり直しました。。。

というのも、「下地塗り(青・赤・白・黒・黄=橙)」だけで差をつけようとすると思った以上に濃ゆい顔になってしまうため、なるべく薄く仕上げることが必要だったのです。

すべて塗り上げた後で、依頼主様のご意向をもう一度くみ取ってみると、「これは、違う」ということに気づいたので、結果「ここで妥協することは、犯罪だ」という精神から、やり直しました。

仕上がってみて、その判断は間違っていなかったと自負しています。
なんでもそうですが、楽をしようとすればいくらでもできます。
そこを、「本当にそれでいいのか」と自問自答しながら進むことで、見えない部分が見えてくると思っています。それは作品の仕上がりもですが、それ以上に自分自身に対してもです。

なので私はいつも、作業の一つ一つに「これでいいのか」と問いかけるようにしています。
(だから、仕事が遅いんだよ~と怒られそうですが、許してください、妥協することは犯罪なんです、僕にとって)


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ということで、五神の神々がそろいました! 皆、仲良くやりましょう(笑)!


領地をめぐって、一時は争いへと転じてしまうこの神楽ですが、最終的には「所領分けの神」によって、皆が平等に土地と季節を分け与えられて、この世界の巡り・循環を促してくださっています。

争い事の絶えないこの世の中ですが、実は、こういう芸能世界に「生きていく上での本質」というものがあって、それを語り継ぐのではなく、感じ伝えていくことが重要だと考えています。

とてもキャラの濃い顔立ちの面ですが、だからこそ「五神」という演目が魅力的になったといえましょう。
これからも多くの土地、地域、集落の繁栄と守護につながっていくことを祈っております。

「鶴亀の 踏みてならした 庭なれば 幾千代までも 栄え久しき」




さ、次のお仕事に向かって頑張っていきましょう~~~!!

2017年7月18日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

神楽面を作り始めて、早や25年。
って最近よく答えるんですが、いやいや、年数だけ重ねても仕方ないんですよね~って心底思ふ、今日この頃デス。

とはいえ、毎日毎日「神楽面」を作っていれば、自然と技も身についてきたな~と実感もしています。

たとえば、一番苦手だったのが「彩色」。
神楽面職人にとって一番の「腕の見せ所」といわれるだけあって、その人の努力とか、経験とか、性格まで全~部丸見えになってしまう、重要な箇所。

でも、今となってはその苦手意識も克服でき、とても楽しい時間となっています。

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現在、進行中のお面です。


一見、簡単そうに見えますが、これが実に神経を使うのです。。。

糸よりも細~~~~い線を描く、しかも一気に描かないといけません。
失敗なんぞ許されません。一発勝負です。。。

これがなかなか上手くいかんのです。

そうですね~、過去には「失敗した!」てなって、サンドペーパーでもう一回磨いて、胡粉がけし直して、もう一回描こうとしたら、違うところで線が太くなり、また「失敗」。。。もう一度、サンドペーパーかけて、、、。

てのが、ザラにあります。


だから、「神楽面職人になりたい!」という夢を持っている人は、こういう時「あぁ、もうダメだ」なんて思ってたらダメですよ~~~。とにかく、手を動かし続けるしかありませんから。


ちなみに、こちらが10年前の彩色です。↓

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10年前(2008年)の作です。
線が太く、明らかに「彷徨っている」感、漂いますね(汗)。

今でも、この面を彩色した当時を、ばっちり覚えています。
「よし、やるぞ!」という気合いとは逆に、ブルブルと震え、なかなか下地に線を入れれず、時間だけが経過した、あの日。

とはいえ、この時は「何とか思うようにできた!」と、それなりに満足していました。

今見ると、「なんじゃこりゃ」ですね。
でも、振り返った時に「なんじゃこりゃ」って思えるということは、一応、「成長」したってことです。

これが、何年たっても「うまくできたな~」なんて自己満足に浸っているようじゃ、ダメなのです。(偉そう~(笑))。


before
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2008年作


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after
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2017年作


同じ型ではないので、比較にはなりませんが、ようやく細い線が描けれるようになりました。

しかし、まったく満足していません。

なぜならば、師匠をはじめ、過去の先輩方の作品を見ると、、、「はぁ~」。。。


ため息しか出ないのです。。。これからの道のりは、まだまだ遠いな、と。


だから、とにかく「作り続ける」しかないのです。



ん~、やはり、神楽面職人の道のりは、果てしなく長い。。。




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これでよくできたなんて、思うんじゃないぞ、小林泰三!!

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これを、見ろ!!
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これを、見ろ~~~~!!!


満足は、成長の敵である。

上には、上がいる。



小林泰三、ここからさらに技を磨きます!!


これからも応援、よろしくお願いいたします!!



それでは、今日はこの辺で、おやすみなさいませ~。
2017年7月7日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは。

最近は、珍しい仕事に再挑戦中です。



何かというと、こちら!

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飾り面の「不動明王」です。


10年くらい前に依頼があって、制作いたしましたが、それ以降は全く注文がなく、石膏型も2階の奥にしまってありました。
というのも、石見神楽の演目には出てこない面ですし、何といっても顔料で仕上げず、和紙素材そのままでし上げるので、滅多に注文が入らないのです。


ですが、この度、「これがほしい」と声をかけてくださったので、約10年ぶりのお仕事です!!


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仕上がると、こんな感じです。


この面は、和紙で仕上げるという特殊なやり方ですが、「石州和紙」そのものの風合いが出るのです。

他にもこういう演目でも採用しているんですよ。


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石見神楽温泉津舞子連中創作演目「龍神」です。


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和紙だからこそ、なんともいえない表情になります。


これは、2008年に地元「石見神楽温泉津舞子連中」が創作演目とした発表した演目で『龍神』といいます。

これも和紙仕上げになっていますが、初めて披露した年は、大田市内の神楽団体さんからも「おもしろいねー!」と評価していただき、子ども神楽団の子達には特に人気で、「見せて見せて~」で結局、取り合いになっていたこともありました(笑)。

もう10年経ちますが、当時白かった色が、いい渋みを増しており、顔料仕上げにはない色彩表現になっています。
「石州和紙」という素材だからこその風合い、と言えますね。



ということで、和紙仕上げの「神楽面」が、どう仕上がっていくか、今後も楽しみにしていてください!!


ということで、今日はこの辺で~。

おやすみなさいませ~。


2017年6月29日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

小林工房HP「ギャラリー」に、過去作品+新作の数点をアップしております!!

ぜひ、ご覧くださいませ!!
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こんなのとか、、、


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こんな変わったものも、、、。


また、新作できたらアップしますね~~~!
2017年6月18日|カテゴリー「ブログ
皆様、こんばんは!

あまりに久しぶりすぎる投稿です(笑)!

いやいや、本当にこの3か月間は怒涛の毎日でして、、、言い訳になっちゃいますが、どうかお許しください(汗)。

ということで、ぼちぼち更新していきますよ~~。
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まずは、こちらです。



2月下旬から作業が始まった、地元「厳島神社」の『猿田彦面』の復元作業。

3月末の時点で「胡粉塗り」まで終えることができてました。

で、実は、その1週間後に、完成しちゃいましたので、ご報告いたします(笑)。


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復元後の面(正面)。


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こちら、元型と復元型を並べました。


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右斜めからの写真です。



こんな感じに復元させていただきました。

現状の古びた感じが「風情があっていい」という意見もあるかと思いますが、氏子総代長より「もともとの色(購入当時)にあわせてほしい」ということで、このようにさせていただきました。

と、いいますのも、この1枚の写真が出てこなければ、現在のくすんだ(どす黒い)赤にしていたと思います。





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こちら、昭和50年代の写真。


この写真を見ると、一目瞭然です。

そうなんです、もともとはとても血色のいい、鮮やかな赤(エンジ色)だったのです。
毛並みも揃っていて美しいですね。

もし、「今の古びた感じがいいよね」を採用したら、今はいいのですが、10~20年経過するととんでもない面になってしまいます。

明らかな歴史、資料があるのならば、なるべくその当時に近づけることが必須で、今のままを再現することよりも、実はかなり難しいのです。

今回は、たまたま私の母が撮影してくれた写真が残っていたので、歴史に忠実に立ち返ることができました。


また、元型の作品にはところどころに「黒いスジ」が見えましたので、これは採用させていただき、くぼみ部分の陰影をハッキリとさせることにしました。



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くぼみに、メリハリがありません。
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隈取(スリコミ)を入れることで陰影をはっきりさせました。


こうすることで、今現在の状態⇔もともとの状態、どちらにも接するよう作っていくのが復元面の大きな仕事といえます。

とはいっても、資料も何もない、歴史を探ることのできない面の復元依頼が「小林工房」には多々ありまして、、、これをどう乗り切るかが職人としての修行の一歩だと思っています。


この四苦八苦な様子も、アップできたらな~と思っています。


ということで、今日はこのあたりにします!


今度は、「獅子頭」復元の報告をしま~~~す。


2017年3月30日|カテゴリー「ブログ
皆様、こんばんは。

またしても、残業中の小林です(汗)。

「残業は 仕事ができない 証拠です」って紙を、どこかに貼っておこかな。。。



さて、2月末から取り掛かっている「厳島神社」(大田市温泉津町小浜)の『猿田彦面』がいよいよ終盤になってきています。
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前回、型作りの様子をご紹介しました。


約1週間かけて完成した「猿田彦面」は、乾燥後すぐに「和紙貼り」に入りまして、これでまた約2週間。

先週、ようやく次の工程にうつることができましたよ。

和紙貼りの後は、「脱活」。元型である粘土を打ち壊す作業です。


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面の裏側の様子です。


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こんな感じで、木槌を使って、少しずつ割っていきます。


そうですね、時間にして3分くらいでしょうか。

割と、あっけなく粘土は壊れていきます(汗)。でも、この工程は「石見神楽面」の特徴的なもので、たまに見学に来られた方に見せると、「す、すげ~~~~」とビックリされます。

そして、二言目には、「でも、壊すのって、もったいないですね」と言われます。


確かに、時間をかけて作った型を、一瞬にして打ち壊すのはもったいない気もしますが、セミも、蛇も、人間の皮膚だって、脱皮して新しく生まれ変わっています。面も、「抜き壊すことで、新しいものを生み出す」ということに関して言えば、とても自然なことかもしれませんね。



ということで、脱活が終わりますと、次は彩色。



そう、驚異の30回塗りの「胡粉がけ」の始まりです。

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胡粉がけです。天狗は鼻が高いので、少々難しいですね。


3月の10日から始まりまして、先週21日に終わりました。。。

そうです、胡粉がけだけで10日以上かかるのです。一般的にはそんなにかける必要性がないのですが、小林工房の神楽面ではあえて回数を多く、深みのある「日本の白」を追求しています。

なんですが、猿田彦面は基本的には「赤(エンジ色)」を最終的に塗るため、見えなくなる白(胡粉)を多く塗る必要はありません。しかし、見えないところも美しく、ということでしっかりとして下地作りのために、30回塗りあげました。



そんなこんなで、あと3日程度で完成です。


完成の様子も、乞うご期待でこざいます。




ではでは、もうそろそろ寝ま~す、おやすみなさいませ~!


2017年3月9日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんばんは!

ただいま、2:30。
今日も残業でございます~、ふ~~~。

でもでも、前職(大学事務職員時代)の先輩に、「こばちゃん、残業する人多いけど、あれはただ段取り悪いだけだからね~」と言われたことありまして、「まさに!」と痛感しております。

仕事できる人って基本的に残業しないんですよね、時間内にうまくこなすんです。

ちなみにその先輩、どんな時も「5時ピタ」でした(笑)。
※5時ピタとは、僕ら同僚の中で使ってた言葉で、「5時ピッタリに帰ること」を意味しています。5時ピタで帰るには、まず「人に頼む」ということが必要です(笑)。


てことで、先週、出来上がった「修理面」の様子です!


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こちらです、塵輪の般若面ですね。


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だいぶ傷んでまして、アゴ、おでこはボコボコでした。



もう、1枚和紙をめくってみると、またさらに昔の作者が残した彩色がでてきましたよ。


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これまた、独特の面相です。古くして、鮮やかな彩色です。


あまりに貴重な作品でしたので、修理ではなく、復元をお勧めしましたが、ご依頼主様の強い要望で、修理とさせていただきました。

で、修理後の様子がこちらです。

わかりやすく「before → after」で、どうぞ!


before
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after
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という形で、仕上げさせていただきました。


それにしても、先人の方々の技術には圧倒されます、というか「ため息」しか出ません。


「これ、バランス大丈夫??」って型なのに、最終的にきれいにまとまっちゃう。
むしろ、そのバランス崩しの技が、実に美しい。(嫌らしくなくて)


不自然さを、いかに自然に見せるか。



ん~~~、職人としての道のりはまだまだ遠いぞ!!!



ってことで、次の仕事もがんばりますよ!!



ではでは、3時間ほど寝てきま~~~す、おやすみなさいませ~~~!

2017年3月5日|カテゴリー「ブログ
みなさま、こんにちは!

ついにこの日がやってきてしまいました。

手塩にかけて作り上げた、あの「飾り面」が嫁に行くことになったのです。。。

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小林工房オリジナル「蛇面(じゃめん)」です!

そう、「蛇面」がついにお嫁にいくことになったとです。

嬉しい、嬉しい、嬉しすぎるのに、とても切なくて、もう少し時間がほしい。。。



それほど、僕にとって本当に思い入れの深い面なんです。



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これは、3年前のデッサン。

実は、10年前から構想していた蛇面。
当時、私の所属する「温泉津舞子連中」で『龍神』という演目を創作し、それに登場する蛇神の面を考えていたのですが、結果的に般若面を崩した形で造形しました。

「もっと大蛇に近い形のものを」と想像を膨らませていくうちに、このようなデッサンの形までイメージが出来上がったのです。

やっとこさ形になって、堂々と出展したのが2年前の「広島島根神楽面作家交流展」でした。
が、来場者の反応は薄く、しばらく「小林工房」玄関で佇んでいた、蛇面さん。


しかし!

この度、小林工房のお得意様が「うちに飾りたい」と言ってくださり、ようやくお嫁に行く日が来たのです。


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お嫁に行く日。ご主人様が迎えに来てくれました。


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いよいよ、お別れの時です。


できれば、蛇面の第1号作ということで、自分用にとっておこうか、とも思いました。

しかし、商売です。

いつまでも展示してても意味がありませんし、気に入っていただける方の手元に行くことがこの子にとっても本望です。


嗚呼、蛇面、、、。

きみは、かぶることもできるし、目玉だって光るし、口だって動くのに、来る人来る人に「えぇ~、高っ!そんなにするの??」といわれるばかりでしたね。
あげく、電池も付けっ放しだったこともありましたね(これは僕のせいだね・・・)。

それでも、「うちに飾りたい」って言われたときは、飛び跳ねるほどの嬉しそうな表情だったことを僕は一生忘れません。

ご主人様のお宅にいっても、その表情を忘れずに、「いい顔してるね!」と言われるように顔張ってね。




ということで、嬉しさと寂しさに包まれている「小林工房」ですが、私も顔張って、頑張っていきます。


これからもよろしくお願いいたします!!


(なお、蛇面の制作については、完全受注生産となりますので、ご希望の方はお問合せください。)


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さようなら、ありがとう「蛇面」! そして、お得意様のM様、本当にありがとうございましたっ!!


2017年2月20日|カテゴリー「ブログ
おはようございます!

なぜか、無駄に3:00から仕事してまーす(笑)。

ということで、もうあと1週間で終わる2月。
仕事もわ~わ~言いながらやってますが、この度、地元「厳島神社」様より、復元面の依頼をいただきました。

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じゃんっ!
こちらでございます!!


そうです、「猿田彦面」であります。


厳島神社は私の地元の温泉津町小浜地区にある神社で、自宅の真裏にあります。


小さいころから、お祭りの時に登場するこの鼻高面が怖くて怖くてですね、、、まったく愛着を持てない顔だったんですが(笑)、年月経って改めて見てみると、いい表情してますね、実に凛々しいです。


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これ、今から30年前の写真です。


昔は今ほど赤黒くなく、深みのある本朱色で、毛並みも整っていますが、さすがに数十年の時が経つとところどころに痛々しさが残っています。


なんせ、今年度の秋季例大祭御神幸の際、役にあたった方が面をつけようとした、その瞬間。

「バキッ!」

面が、まっ二つに割れましてね。。。

「泰三く~ん、泰三く~ん、直して~~~」と、呼び止められ、慌てて応急処置しましたから。。。



そんなこともあって、今回、厳島神社氏子総代長(私の大叔父にあたります)から、「せっかくだから、直してくれ」とご依頼いただいたのです。

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復元の様子です。

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かなり、手こずりましたが、何とか1週間で型は完成。


先週、型作りに奮闘してまして、ちょうどお日柄もよろしく、お天道様のもとで乾いていただきました。


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たまたま、汽車も通過。


そして、これから「和紙貼り」です。

元が木彫り面だけに、彫りが複雑で、、、こりゃ、大変だぞ~~~。


ということで、あと残り1週間で3月ですから、小林泰三、張り切って参りま~~~す!!


2017年2月16日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

しばらく間が空いてしまいましたが、元気に投稿です。

でもでも~、気を付けないとこのまま過疎化しちゃうのが、「泰三ブログ」~~~(笑)。



さ、ということで最近の様子をお知らせします!



実は今、かなりの大作に挑んでいるのですよっ!!

何かというと、これ!



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どど~~~ん。


そう、石見地方西部(三隅町以西)でよく使われる、通称「ちりとり面」。


その名の由来は、「ちりとりのようにゴミをたくさんかき集められるほどの大きさ」だから。


粘土型だとボリューム感伝わりませんが、実際はこんな感じです。



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おっきい! 顔の大きさはみ出してますね、大きさは約40cm四方。
(写真:益田市石見神楽保存会久城社中)


これ、一つ作るだけでも、とても大変なんですが、なんと注文の数は5つ!!

5枚ですよ、5枚!!


なぜかというと、石見神楽演目の中で最長編演目といわれる「五神」で使われるからです。


五神とは、春夏秋冬・東西南北を司る4人の兄妹神に、もう一人弟がいて、この末っ子王子「埴安大王(五郎王子ともいう)」が「自分にだけ土地が与えられないとは、どういうことだ!自分にもよこせ!!」と乱を起こすのです。
やがて、兄妹喧嘩となり、この合戦の収拾がつかなくなったところで、「所領分けの神」が現れ、「まあまあ、お前たち、私の言う通りにして皆平等に土地を分配しあいなさい」と仲裁に入り、皆仲良く暮らせることになった、という話。

これが、農業の指針となり、地域社会における共存・共同の思想が込められていることから、秋祭りではこの演目を最後の演目で締めくくることで、「国家安穏」「氏子繁栄」を祈願しているのです。



とまあ、ざっくり説明しましたが、この演目で登場する五人の神々が使用するのが、この「ちりとり面」なのです。
(石見地方のすべてがこれを使用するわけではありません。素面であったり、神面を使用されたりと地域によってさまざまです)



大きくて、手間も技術もいることから、「神楽面職人としての登竜門」ともいわれます。
この仕事をこなせてこそ、「一人前」といえるほど、重要な仕事。



これを、小林工房10年目にして、ご依頼いただいたのです。改めて、感謝。


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暖かい日に、一気に天日干し!


ということで、面の原型は無事に乾燥を終え、現在、「和紙貼り」中でございます!


完成を乞うご期待。


ただし、4月に納品予定のため、まだ先になりま~~~す。



ということで、今日はこのあたりで、さようなら~!
2017年1月29日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

なんだか、雪が降って、いきなり晴れて、次は大雨で、、、。
気ままな天気についていくのが大変な毎日ですね。


さて、飾り面の依頼で制作していた「恵比須面」が無事に完成~~~!



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3つ、完成!


このあと、依頼主様に一点選んでいただき、額に取り付けて納品させていただきます。

2点は残りますので、「新築祝い」「昇級祝い」「退職祝い」などなど、大変おめでたい贈り物として、ぜひご検討くださいませ!




ということで、次の仕事へレッツゴーです!

ではでは~~!!

2017年1月17日|カテゴリー「ブログ
修理面の仕事に興味を持っていただくために、連載としてブログ書きました。


今日は、その番外編ということで、過去に携わった作品をご紹介したいと思います。


「before」 → 「after」 でお楽しみください!!
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いかがでしょうか。


ブログの「修理面の仕事①~⑤」の中でも言ってますが、「末永く愛用してもらう」ということを目的に、かつ、「修理すべきでないと判断した場合は『保存』、もしくは『復元』をお勧めする」という方針で、修理を行っています。


なので、「修理」を希望されていても「復元」をお勧めすることはよくよくありますので、ご了承ください。



ということで、これからまだまだ多くの依頼を受けれるように、腕を磨いてまいります。



もしも、ご家庭や神楽団内において、「蘇らせたいな」と思える品があれば、ご遠慮なくお問合せください。
宜しくお願いいたします。
2017年1月14日|カテゴリー「ブログ
まだまだ出てくる、懐かしい写真。


ん~~~、「ざ、神楽少年」。 そして、「ざ、昭和」ですね(笑)。


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「はじめ会」という、父の同級生世代の家族が集まって、月1回?だったか、とにかく年に数回集まって宴会やってました。

そんときに神楽を呼んでくれて、、、それはそれは楽しい思い出だったとさ。


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で、やっぱり、神楽面を作りたかったそうな・・・。


30年後に誕生した、泰三2世もやっぱり。。。
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 ん~~~、でもやはり、センスよさげなのは、父の方か・・・。


ということで、懐かしい写真でした。

ではでは~~~。
2017年1月13日|カテゴリー「ブログ
んん~~~、懐かしいのぅ~~~(笑)。
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小学校6年の夏。(当時12歳)
師匠である、柿田勝郎先生の工房にて。


「初心、忘れるべからず」ですね。


ではでは~~~。
2017年1月11日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは。

今日は一気に冷え込んでおりますね。
こういう時、体調を崩しやすいので、よ~く体のメンテナンスしてくださいませ。


さて、修理面の仕事も、いよいよ今日が最終章!


完成に至るまでの様子をじっくりご覧ください!!

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前回はここまででしたね、彩色終わりの状態です。


彩色の中で最も重要とされる「瞳入れ」が終わり、面そのものに表情が生まれてきました。


あと残すところは「毛植え」と「額付け」です。


「毛植え」ですが、小林工房では以下のように種類を分けています。



●神面系・・・シャグマ毛(ヤク毛)

●鬼面系(男鬼)・・・馬毛(ウェーブあり=荒毛)

●鬼面系(女鬼)・・・馬毛(ウェーブなし=直毛)

●特殊系・・・人毛(人間の頭髪)、シュロ毛(植物の棕櫚の繊維)など


もちろん、ご要望に応じて内容は自由に変更しておりますが、面の種類と毛の性質を見極めた結果、今のところこのスタイルにしています。

たまに混合毛といって、色を混ぜたり(ゴマ毛)、素材自体を混ぜたり(ブレンド毛)します。
ブレンド毛は手間がかかりますが、独特の風合いが出るので、個人的に好きです。


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シャグマ毛(神面系に使用)


【舞面】酒呑童子

馬毛(ウェーブあり)=荒毛 (男鬼面系に使用)


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馬毛(ウェーブなし):直毛 (女鬼面系に使用)


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混合(ブレンド毛) ※黒と茶を混合


狐(黒)

混合(ブレンド) ※直毛と荒毛を混合


と、こんな感じです。

面の種類によって、「人間に近い神様」 「荒ぶる鬼」 「女性の変化した姿」 など、毛の種類1つによって、表情が変わってきますから、ここも神楽面職人としては、こだわりどころです。


さ、修理面の方ですが、「鍾馗」と「鬼」の1対ですので、小林工房の流儀に従い、「鍾馗」は「シャグマ毛」、「鬼」は「荒毛」にしました。


その毛植え後の表情がこちら!



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鬼面には「荒毛」を植毛。


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鍾馗はもともとこの状態から・・・


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こうなりました! 「シャグマ毛」を植毛した状態です。


いかがでしょうか、随分と表情が出てきますよね!

もう一つ付け加えていうと、毛植えは 「穴開けが命」ということです。


穴を開ける時点で、どの方向に毛を向けたいか、また、毛と毛との重なり具合や、全体に対してのバランスなど、よ~~~く吟味しつつ穴を開けることが重要なのです。


なので、今回の修理面は(鍾馗面の方)、もともと50本近い穴が開いていましたが、その本数をそのまま入れると「毛むくじゃら」な顔になってしまいます。

よって、必要な個所だけ活かすことにし、同時に「ここは新たに開ける必要がある」という箇所を追加しました。


この「足し算」「引き算」の判断が、神楽面職人に必要なことといえます(偉そうですが・・・)。




ということで!




大変、お待たせしました。

いよいよ、完成作品のお披露目です!!



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ど~ん!  完成いたしました!!


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左寄りから


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右寄りから


いかがでしょうか!


これが修理後の姿です。


では、もっとわかりやすく 「 before → after 」でお届けしましょう。
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before (修理前)


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after (修理後)


また、鬼面だけでいうと、このような変貌ぶりとなります。


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いかがでしょうか!

これが修理面の仕事の全貌であります。



ざ~~~っと紹介させていただきましたが、神楽面の修理は、単純に「新しくすること」ではありません。

「末永く愛用されるもの」をつくることが、一番の目的なのです。



そのためには、あらゆる手段や材料を屈指して、作業を進めていかなければいけませんが、やむを得ず、元型を傷つけることもあります。


それが本当に正しいことか、、、については、今の時点では分かりません。




ただ、はっきり言えることは、作り手と使い手の思いが合致して、愛用されるものは長生きする、ということです。



もう一つ、付け足すと、、、。

「修理する必要がないものは、むだに手出しをしない」ということ。



歴史的価値のあるもの、塗り替えない方がその団体(個人)にとっていい、と判断したものは、迷わず「保存」を勧めます。


この見極めもまた、神楽面職人の仕事です。



過去、何度も見てきました、「あ~、なんでこんなことを」という作品たちを。。。



木彫り面にペンキ、胡粉下地にスプレーニス、よく見えないからと目や鼻をイガグリ開けた大きな穴・・・。



それをしなければ、あわや「博物館」行だったであろう貴重な作品が、とても残念な結果になっているものが多く存在します。
それはそれとして、批判するわけではありませんが(それもまた歴史ですので)、ただ、神楽面職人として「素晴らしい作品を残す」努力も必要だと思っています。


先人たちの絶え間ない努力と実力。


敬意をもって、仕事をしていきたいものですね。



今回の修理依頼の面も、これから先40~50年と長生きしていただき、家を守り続けてほしいと思っています。



ということで、これにて、「修理面の仕事」はおしまいです。


また、次の仕事に向けて、頑張りますぞ~~~!!



ではでは、さようなら!


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最後に自分の写真(汗)。  なるしすと~(笑)。 
2017年1月7日|カテゴリー「ブログ
年も明けて、早や1週間が経ちましたね。


さてさて、修理面ですが、実は年末のところで出来上がっています(汗)。

時間差で投稿していますので、「早く完成した面を見せろ~~~」という方もいらっしゃると思いますが、もうしばらくお付き合いを。


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前回までの様子。 こちらが胡粉塗りを終えた面です。ツヤツヤですね。


30回の胡粉塗りが完了しまして、次はいよいよ彩色です。

本当に「いよいよ」って感じです。




彩色は、職人さんによって作業段取りの違いがありますが、私は 「箔押し(目に金箔を貼る)」 ~ 「彩色A(口の中)」 ~ 「彩色B(毛描き)」 ~ 「摺り込み」 ~ 「瞳入れ」 ~ 「ニスがけ」 としています。


その様子がこちら。
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「箔押し(目に金箔を貼ったところ)」


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「彩色A(朱塗り)」


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彩色A(中塗り)
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墨描き(うす墨)


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墨描き(本墨)


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摺り込み



この摺り込みを終えたところで、いよいよ最後の筆入れです。


神楽面職人の方によっては作業工程が微妙に変わりますが、私は「彩色」の中で一番重要とされる 「瞳入れ(どういれ)=目を描く」 の筆入れ作業を、一番最後に行います。



「目は口ほどにものをいう」とも言いますが、目から放たれるメッセージ性こそが決め手になるのです。

なので、黒や赤などの色がすべて入り、全体の顔が出来上がった全体像を見つつ、目の線、つまり「瞳」を入れていきます。


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瞳入れ


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瞳が入った様子。



いかがでしょうか。

目に力が入ってきましたね。


ここに「魂」が入って、表情が生まれ、まるで生きているように見えるのです。


しかし、「魂を入れる」のは、作り手ではありません。



舞手です。

つまり、使い手なのです。



飾り面の場合は、それができませんが、その家に飾られ、毎日毎日その面を見続けることで、自然と魂が宿っていくのです。



師匠の言葉にもあります。

「面は8割で仕上げるんだ。残りの2割を舞手(使い手)が埋めることで、初めて完成する」と。




これ以上の格言はありませんね。



でも、まだまだ自己主張が強すぎる面が多い私。。。



修理面を通じて、その欲を抑制することができるので、やはりこの仕事が「初心」「基本」に返れるいい機会。



ということで、次回がいよいよ完成の巻です!!



乞う、ご期待!!
2017年1月2日|カテゴリー「ブログ
修理面の仕事も、いよいよラストスパートとなりました。


「穴開け」まで完了し、あと、残すところ、 「胡粉がけ」 「彩色」 「毛植え」 です。


ほぅ~~~、じゃ、あと1週間くらいで出来上がるんだね、と思われるかもしれませんが、残念!



これからが一番時間かかるのですぞ!!

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前回はここまで。 これから時間がかかる作業とは・・・。


時間がかかる作業とは、そう、「胡粉がけ」なんです。



「えっ、1回塗れば、はい終わりじゃないの?」と思われるかもですが・・・じゃないんですよ。。。


何回も塗り重ねないといけんとです。





その回数、だいたい7~12回。





で・す・が、、、小林工房の面はすべて、、、。




30回。





30回も塗っているんですよ(汗)。。。


しかも、1日に3回しか濡れないので(ひび割れの原因になるため)、「胡粉がけ」だけでなんと2週間近くかかるのです。。。



「そんなに塗る必要ある??」ってとこですが、胡粉の輝きは30回塗らないと現れません。
また、彩色の筆の走り方が、10数回のものと、30回塗りのものとでは、まさに雲泥の差。



なので、あえて時間のかかる方法を選び、「日本の白」の美しさを求めています。




ということで、こちらが30回塗りを終えたものです。どうぞ。
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どーん!


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この表面の光沢が大事なんです。この輝きは、30回塗らねば現れないのである。。。


京都造形芸術大学在学中に、ゼミの先生が 「京人形の展覧会に行こう」 て誘ってくれたんですね。


で、行ったんです。


そしたら、もう絶句。。。


言葉が出なかったです。




それ以来、「あの『白』が出したい!!」と思い続けて、「胡粉塗り」にはこだわって仕事しています。



でも12~15回塗ったところでヒビが入り、ダメだダメだの連続でした。

京都には何回も行き、ヒントを求めました。福岡の博多人形師のところにも行きました。が、見事に門前払いで、完全に意気消沈したこともありました。

が、思わぬところで、しかもとても身近なところで、そのヒントを得ることができたのです。



ヒントを得て、実践する。
すぐに答えを求める現代っ子多いですが、僕は師匠のもとで「答えではなく、ヒントを見つけ、自分なりにやってみる」ということを教わりました。
だから、「〇ーチューブ」とかで技術習得したりするの、大嫌いです。
それでもって「伝統芸能やってます」とか、「僕は職人です」とか、言えないですから。


で、胡粉の話に戻りますが、結果、一つのことに気づきました。それは、「コントロールできていない」ということ。



分量、温度、湿度、、、その日のノリみたいにやっていたのです。
そりゃ、うまくいくわけがない。

なので、記録することにしました。
全ての作業をデータ化して、分析したのです。
そしたら、作業にムラがあることに気づき、それらをコントロールすることにしました。


そんなの当たり前やろ、と全国のものづくり職人さんに怒られそうですが、今、やっとコントロールできるようになりました。




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息子が、手伝ってくれることも(笑)。


福岡まで行って、恥もかきました。

作った面がボロボロで、納品後1年も経たずに直したこともあります。



迷い道な人生を走っていますが、この時間は決して無駄ではないと信じています。


もっと簡単に答えがわかる方法はあるでしょう。

ですが、パパっと答えがわかったとしても、 「逆境への立ち向かい方」 が身についていなければ、これからの多くの壁を乗り越えることができません。



だから、 「答えを求めず、ヒントを得て、自分なりにやってみる」 ということを、これからの若い世代に伝えていきたいのです!!




ということで、扱いの難しい「胡粉塗り」ですが、無事に終了し、これから、ようやく「彩色」へと移ります。


ここから、面の表情がぐんぐん変わっていくんですよ~~~!



超、お楽しみに!!


ではでは~~~。
2017年1月1日|カテゴリー「ブログ
皆様、あけましておめでとうございます。

また、平素より、ブログをはじめ、「小林工房」のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。




激動の2016年が終わり、新しい年を迎えました。

今年について、「特に〇〇を頑張る」「〇〇という目標をもって取り組む」などの1年契約的な誓いはありません。

日々を力いっぱいに生きるのみです。

当たり前のことを毎日やり続けるだけです。しかも丁寧に。

その結果が今年でなくても、来年、再来年、、、いや30年後に開花していいと思ってます。

「当たり前」のようで「有り難い」1日1日、そして一瞬一瞬の「今」を大切に、力いっぱいに生きていきます。




まだまだ、未熟者ですが、これからも引き続き宜しくお願い申し上げます。


平成二十九年一月一日  (株)小林工房  小林泰三

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年賀状を撮ったため、ボヤけててすみません。。。
2016年12月31日|カテゴリー「ブログ
皆さま、こんにちは!

いよいよ、2016年もあと1日となりました。

今年1年を振り返ってみますと、とても言葉に言い表すことができませんが、今日はなかば自己満足で記します。
本当にいろんな出来事に巡り合いましたので。



1月・・・大寒波による水道管破裂。 1週間のタンク水での作業。


3月・・・太鼓芸能集団「鼓童」との共演(桐生市)。
   そして、3年間勤めてくれた「ミカモト君」の退社。


4月・・・嫁と子ども2人が3か月の奈良生活へ。


5月・・・消防操法大会の出場。


7月・・・商工会青年部の主張発表出場。
   ゲリラ豪雨により、工房浸水。


8月・・・「広島島根神楽面作家交流展」出展。



そして、、、9月。

起きてしまった、交通事故。

両親と子ども2人が乗った車が、反対車線をはみ出してきた車にぶつけられ、救急車3台出動する大事故に逢いました。
幸い、命に別状はありませんでしたが、母は2か月間の入院生活。子どもたちもケガをお負いました。


11月・・・94歳の祖母、死去。


と、この1年であまりに多くの出来事を経験してしまいました。
特に事故の一報を受けた時は、「もう、これまでか・・・」と、覚悟を決めました。冷静に対応しようとしましたが、、、あの時のなんとも言えない胸のざわめきはそう簡単には消えません。



でも、嬉しいこともたっくさん、ありました。


まず、3人目の子どもが生まれました。
とても厳しい状況の中を、嫁も子どもも命がけで、本当に必死の思いで、乗り越えてくれました。
医療の力では説明できない奇跡も起きました。
しかし、多くの先生方、見守ってくれた嫁の両親や私の両親、そして2人の子どもの力があったからこその出来事です。
今、元気いっぱいに育っています。
そして、私自身にも、家族全員にも、とんでもないパワーを与えてくれています。
家族全員に「感謝」の気持ちで胸いっぱいの毎日です。



そして、3月には、私の指導団体「京都瓜生山舞子連中」のOB・OGメンバーであるD君とIちゃんが結婚しました。
また8月には、元:鼓童メンバーのTっちゃんが、結婚しました。
いずれも、神楽がつないだ縁です。



念願だった、「鼓童」さんとの共演も叶いました。
これは、本当に、夢のまた夢の、また夢。。。
「いつか、共演できたらなぁ」なんて、学生時代、何千回、何万回と考えて、どんだけため息をついたことか。
でも、叶いました。
いや、正式には、、、つなげていただけました、多くの神様に。



11月に祖母も亡くなってしまいましたが、通夜・葬式に多くの方が参列くださいました。
そして、親戚も遠いところから集まりました。
通夜が終わって祖母の家で打ち上げ?みたいな飲み会で、「あんたのお父さんの~、お母さんの~、兄妹の~、子どもの~」って、皆で家系図追っかけての話題で盛り上がる。
そう、みんな、つながっている。
人が亡くなることはとても寂しいけど、だからこそ、「つながり」を確認しあうことができる。



そして、交通事故から3か月経ちましたが、家族は皆、元気にやっています。







つまり、2016年を振り返りますと、、、



「難有り」




逆に読むと、「有難い」







多くの「難」、有りました。
でも、それは、とても「有難い」ことだったんです。


いま、家族は、皆、元気です。
決して、とても強がりだっとしても、「裕福」とは言えません。

でも、「幸福」です。
これほどまでの「幸せ」はありません。

水害に遭い、事故に遭い、身内の不幸に遭い、、、まさに「不幸続きの男」と、人は言うかもしれません。
「あいつ、呪われてないか」とも思うでしょう。

残念ながら、違います。

朝起きて、横に子どもが寝ています。
外に出ると、父親がいつものように水やりをしています。
母から、ちょっとしたことで電話がかかります、「雨降ってきてるよ」と(笑)。


こんな「当たり前」の生活。
でも、それが、一番、「難しいこと」だということを、気づかされました。
そして、そのとても難しい「当たり前の日々」こそ、「幸せな日々」といえるのではと感じました。


もっともっと、1日1日を味わいたい。


今、そんな思いです。





だから、2016年は、「難有りの、まさに有難い1年」でした。





小林工房も、ついに10年目に突入です。
まだまだこれからですが、皆様にとって「幸せ」だと感じるものを生み出していきたいと思っています。

神楽面で作るのではなく、神楽面職人として作る!

究極を求めていく1年にしたいと思います。




2016年、本当にありがとうございました。
来る年もまた、何卒よろしくお願いいたします。


2016年12月31日
小林泰三
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2016年に感謝!
2016年12月25日|カテゴリー「ブログ
ずいぶんと天気が荒れてきましたね、いよいよ冬到来って感じです。

そんな最中、起きてしまった、あの火災・・・。



私、消防団に所属しておりますので、先日の新潟県糸魚川での大規模火災は、決して他人事とは思えない出来事となっています。



暴風、乾燥、住宅密集地帯、、、これ、私の住む温泉津町でも当てはまります。
全国の皆さんも、当てはまるところ、多いと思います。


よく 「消防団に入らなくても、消防署がいるから大丈夫」 とか言うアホンダラがいますが、こういうことですよ、消防団にいることの必要性ってのはっ!!

火は1か所で起こるもんではないんです!!
飛び火しますし、消えたと思っても、中でくすぶってて、再び燃え上がることなんてザラです。


今回も、風に流されてあちこちで火が上がり、煙に覆われて視界が奪われ、水利がどこにあるか分からずもたつき、あっという間に燃え広がったのです。


天候の問題もあり、どうしようもできなかったという判断しかできないかもしれませんが、それでも、いつ、わが町で起こるかわかりません。


日頃からこのような出来事を教訓に、備えておく必要性があるのです。


もっとも重要なのは『火の後始末』です。これに尽きます!!

皆さん、家の中と周辺を歩いてください。
・いつも火を使う場所
・火が出やすい場所
これをすべてチェックしてください。
たとえば、ストーブの近くに燃えやすいものがないか、今はなくても子どもの遊んだ紙切れがそこに移動する可能性はないか。

チェックしたうえで、その場所を外出時、就寝前は必ず10分おきに最低3回はチェックしてください。

私は仕事の関係で火を使うのですが、使う場所は台所と彩色場のみと限定しています。

また、ストーブも1台のみ、作品乾燥用で使用するのみで、それ以外はエアコンで対応しています。

火を使う時間も決めています。
正式ではないですが、15:00以降は使わないようにしています。
逆にいえば、火を使う作業はすべて午前中にしています。

ほんまか~、と思われるかもしれませんが、消防団員としてそこは徹底しています。


また、工房から帰る際は、必ず3回チェックです。これも徹底しています。
ほんまか~と思われるかもしれませんが、これも真剣にやっています。なんせ、火事になったらとんでもない損失ですから。


よく疎かにするのが、ポットです、気がつけば中にお湯がほとんど残っておらず、空焚き状態になっていることがあります。
これも火災の原因になりやすいですから、よ~くチェックしないといけません。


コンセントも油断してはいけません。
こまめに掃除しておかないと、コンセント付近に溜まったホコリが原因で引火し、火災になったという事案、結構あります。


よ~く点検しておいてください。

特に、年末の大掃除で一気に部屋を片付ける、、、というご家庭多いと思いますから、その際にまとめてチェックするのが理想的ですね。



そして、最後に言いたいこと。

「消防団に入りましょう」

これです。



「いやいや、仕事上ムリだよ」とか、「そんな時間ないんで、ごめんなさい」っていう若い子多いですし、自分もそう言って断ってましたけど、、、。

じゃ、君の家が火事になったら、どうする?
隣の家から火が出たら、どうする?

そう、一人ではなんもできないんですよ。
たまに、「自分ち、消火器があるから消しますよ」とかいう、ホントお馬鹿な奴いますけど、、、そんな勢いじゃないから。

柱が1本燃えたら、柱伝いに目では見えない壁の中まで引火します、そんなの消火器で消せるかい。


だから、水利とって、ホース伸ばして、一斉に水出ししないと火は収まらないんですよ。
(そこまでやっても火は簡単には消えません)


そのためには、何が必要か。


そう、「人」がいるんです。

といっても、野次馬はいりません。

消防団員がいるんです。
1人でも多くの消防団員がいるのです。


でも、、、「いや、僕、ホースとかポンプとか使えませんし・・・」て思っている、あなた。


いいんです、使えなくて。

使えなくても、仕事、いっぱいあります。

「住民の避難指示」「ホース補佐や運搬補佐」「連絡係」・・・これ、操作技術なくてもできますし、むしろこっちの方が人手がいります。

見た目ちっちゃいけど、「小型ポンプ」あれ、4人いないと運べないんですよ。しかも、急傾斜の時は、男手5~6人いります。
そんなの操作技術関係ありません。人手がいるんです。

もしもですよ、人手が足らなくて、水が出せない、はたまた「消防車も出せない」ってことが起きて、結果、消火活動が遅れて、全然関係ない家々が燃えて、それが自分ちだったら、どう思いますか。

今回の新潟県の火災もそういう状況だったかもしれませんが、直感的に「早く、消してくれ!」って思います。



でも、「早く消してくれ!」じゃないんですよ。



「早く、消すぞ!!」なんです。



「早く、消すぞ!」という意識と能力をもった消防団員が多ければ多いほど、全焼するかもしれない危険を早くにくいとめ、多くの財産を残すことができます。
一方で、その意識が低いと、初期消火が遅れ、延焼し、すべての財産をなくしてしまいます。。。
そうしたくなければ、「早く、消すぞ!」の一員になることです。

それが最も有効な「初期消火」への第一歩なのです。


あとになって、「消防署や消防団が早く消さなかったからだ」と、他人を責める前に、自分がどれだけ最善を尽くせれるか、をまず考えましょう。


そこからです、町の安心安全とは。




今日は、仕事以上に書き込みましたが(汗)、私は消防団に入り、商工会青年部にもおり、地元のNPO法人の理事も務め、大田市のなんとかかんとかっていう組織にもいます。

そんなことやってるから、仕事が遅いんだよ、、、と言われて仕方ありません。

その分、夜遅くまで残ってやっていますが、理解されなくて仕方ありません。

しかし、この町を守らなければ、この仕事できませんから。


人や町のことなんてどうでもいい、自分の仕事や家族優先、、、でいきたいですよ、そりゃ。
でもね、その仕事も家族も失うことがあり得るんです。

だから、バランスもって、「仕事」=「家族」=「地域」である認識で、毎日を戦っているんです。

逆に、組織に入らず、自分のことばかり優先で、「この町、もっとこうしたらいいのに」とか「お前はもっとこうしなきゃ」とか言う人間を目の前にすると、怒りのあまり、「竜巻旋風脚」くらわしたくなるのです。


と、ちょっと大人げない話になりましたが、でも、本当に思うところがたくさんありますが、今回の火災を受け、今一度、自分の身の回りの危険や、地域のこと、避難場所や避難経路、避難グッズの準備、停電したときの備え、、、など、年末の大掃除にあわせて、やっていただきたいです。



ということで、火の元チェックをして、帰ります。


おやすみなさいませ!


2016年12月24日|カテゴリー「ブログ
小さなお客様のご来店から、早や1日。


欲求が満たされなかったのか、再びこちらの方がいらっしゃいました。。。



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息子のタイキチです。


今日は粘土遊びがしたいそうな。

「頼むから、邪魔しないでくれよ~~~」と思いながら、ドキドキしてましたが、、、。

「ね~ね~、それ貸して~」「あれ、持ってきて~」「父ちゃん、トイレ~」「喉乾いた~」と、、、案の定の結末。。。



ですが、しばらく放っておくと、だんだん世界に入り込んだのか、いろんな作品を作っておられました。

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黙々と制作中。 一体、何を作っているのか、聞いてみると・・・。


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これ、 「う●こ」。


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これ、 「し●こ」。


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これ、 「う●こ」。


だそうです・・・。


レベル、低・・・。


が、ご本人はご満悦な表情で、「どう、上手でしょ~~~」と。


下品な作品とはいえ、本人の希望を尊重し、そのまま乾燥させることにしました。

「う●こ」と「し●こ」と、また「う●こ」を固まるまで待つという、、、これほどツライものはありません。。。




ちなみに、また翌日に来られたお客様には、「だんごと、汁物です」と紹介。

「だんご→う●こ」で、「汁物→し●こ」とは、、まあまあ、悟られることはないでしょう(汗)。。。



てな感じで、毎日忙しくも、楽しくやっている「小林工房」でした~~~。



それでは、おやすみなさいませ~~~。
2016年12月23日|カテゴリー「ブログ
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つい先日、小さなお客様がご来店。


といっても、うち2名はうちの子ですが。


近所の子が「やることないけ~、遊びに来た。」と。


遊び場に選んでいただき、誠にありがとうございますっ(笑)!

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「小林工房」には、「プリキュア」も「ジューオージャー」もないので・・・。


仕方なく、絵を描いてもらいました。


「好きなの選んで描いてみて」と。


すると、黙々と描きだす女子2人に対し、、、


黙々と、邪魔をする男1人。。。


「もうあっちいって」と姉に叱られ、隣で太鼓を叩き始めましたが、「もう~、うるさい~」とまた叱られ、、、。



やむなく、画用紙で作った剣で遊んでもらいました。。。
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邪魔をする男。。。


とまあ、わーわー言いながらでしたが、無事に完成~!
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すばらしい~!


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うちの娘も完成~~!


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彼は何もしていません。。。


ほのぼのとした時間でした(笑)。


さ、仕事仕事~~~。
2016年12月22日|カテゴリー「ブログ

獅子頭の復元をしつつ、修理面の仕事も着々と進んでおります。


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前回の続きとして、ここまでやりました。


とりあえず、「バラシ」の作業が終わり、次の行うのは、「和紙貼り」です。

「和紙貼り」といっても、ただ、ペタペタと貼っていけばいいってもんじゃありませぬ。

弱いところ、補強すべきところは重点的に貼ります。
しかも、その箇所だけでなく、その周辺を貼るっていうのが、ポイントです。

和紙は何層もの繊維の重なりによって成り立っています。
その繊維の層がお互いに引っ張りあって頑丈になるので、弱い箇所の周りから引っ張っていくように貼り重ねます。
言葉では難しいので、単純に言うと、「フェイシャルケア」のような、あるいは「清水アキラさんのセロテープ芸」のような感覚です。わかるかな~、、、とにかく、引っ張るんです。。。

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これ、片手ですが、両手でしっかり伸ばしながら貼ります。


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周囲をざ~と貼った様子。


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で、全部貼り終えて、目・鼻・毛穴の「穴開け」も完了です。

じゃん。

和紙貼りが終わり、「穴開け」も終了しました。


そして、これから下地塗りに入ります。

修理面のお仕事は、すでに出来上がっている型を直すので、早く終わりそうなイメージですが、、、NO、NO、NO~。


「あれ、ここ薄いぞ」「なんだ、この接着剤は」とか(笑)、これ、やった人にしかわからないのですが、思わぬところで時間をくうもんです。


なので、ところどころでよ~く観察していくことを省きません。


これを疎かにすると、あとで「えぇ~~~、何これ~~~」って慌てます。。。



ということで、今日はこのへんでさようならです。



また、明日~~~。



おやすみなさいませ。

2016年12月20日|カテゴリー「ブログ
最近は「獅子頭」ネタばかりですので、ここいらで違う仕事を。


今、「猿面」の注文をいくつか頂戴しております。


人間の顔に似せるというとても難しいご依頼から、年内納品というスピード重視の仕事まで(汗)。


いずれにしても、毎日頭と手をフル回転させて仕事しています。







猿面

こちらが、猿面です。


猿面が使用されるのは、「頼政」という演目です。


平安時代の武将であり、歌人である源頼政が、毎夜、丑の時刻に現れる「鵺」を征伐するという神楽。
その前段として、鵺に群がる「猿」たちが農作物を荒らしたり、百姓に悪さをしたりという場面で登場するのです。


『校訂石見神楽台本』の中に掲載されている演目ではありますが、「猿」=「去る」という解釈から、漁師町での奉納神楽では「漁が去るから、やってくれるな」と、上演を禁ずるところもあります。

台本の中をめくってみても、他の演目に比べて「歌は思いつきのものでいい」と書かれていたり、解説が極端に簡素であったりと、神話や神様のいわれ=威徳を説く芸能としては、優先順位の低い演目として扱われていたようです。
(あくまでも、私の主観です。)


しかし、近年、このような注目度の低い演目に、演出や構成を工夫して、見ごたえのある演目に仕上げている団体様が増えてきました。


ですので、当然、注文の幅も広がっている面なんです。


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ということで、型作りから始まります。


復元作業と同様、「型作り(荒彫り)」からスタートです。

ここまでは結構早くできます、強がって言うと、だいたい20分ですね。

正直に言うと、1時間です(笑)。



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なんだか、自分に似ているような・・・。

人間の先祖は、「猿」ですからね、、、当然似てくるばい。。。



ということで、1時間で、さよ~なら~ってわけにもいかないので、実はもうここまできています。
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中彫り完了。


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 そして、仕上げ彫りも完了し、和紙貼りに入っています。


こちらは年内納品の方ですからね、急ピッチに進めています。


他に受けているいくつかの猿面が、、、悩みの沼から抜け出せず、、、なかなか前に進まない、、、。


ですが、そういう注文があることで、自分自身の表現も技術も幅が広がってくるので、逃げずに立ち向かっていこうと思います!!



ということで、今日はさようなら~~~。


おやすみなさいませ。
2016年12月19日|カテゴリー「ブログ
全体的な骨格が見えてきた、獅子頭の復元。

これから、いよいよ「中彫り」です。

「いよいよ」っていうほど、特別感漂うのはなぜかというと、、、。



そう、ズバリ、時間がかかるのだ~~~!


中彫りは、座標(何センチのところに何があるか、という位置情報)を合わせていきながら、細かい部分を作り込むという一番大変な作業(汗)。。。


物差しと、ヘラとを使って、ひたすら「測っては、削る」「測っては、削る」を繰り返します。
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コブの頂点、幅、溝の深さなど、1つの1つの位置を確認しながら作りこむのです。




え~、その日のテンションにもよりますが、だいたい3時間が限界です。。。


それ以上やると、次やろうとするテンション、下がります。。。


何でもそうですが、「バランス」ですよね。


「もうちょっとやりたいな」ってくらいで終わった方が、次の日のやりたいって気分が上がるもんです。
なので、私は、「もう少しやりたい」って手前で終わって、別の仕事に移ります。


て、次の日もなかなかテンション上がらず、作業に入れない日も結構ありますが・・・。

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獅子頭の左側半分が完了。


っということで、3時間どころか、左側半分に2日以上経ちましたので、今日はここいらで終わります(汗)。


まだまだ、長~~~~~~い「獅子頭の復元」。。。



今後も乞うご期待ということで!


それでは、おやすみなさいませ~~。
2016年12月15日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!


今日も、前回に引き続き「復元面」の仕事のご紹介。


まず、先日できあがった土台から、いよいよ成形(荒彫り)に入ります。





ただし!!


粘土塑像で、注意しなければいけないことがあるのです。


それは、「乾燥時における収縮」です。

そう、粘土は縮みます、、、結構リアルに縮みます(涙)・・・。



なので、ちょっと大きめに(って、大雑把な言い方だけど・・・)成形していくんです。
(もちろん、ちゃんと数字に出してやってますので、ご安心を)
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ってことで、「荒彫り」完了~。



はい、「荒彫り」完了でございます。。。


早~いと思いきや、ここまでくるのに、ちょっと時間かかるんです。


文章にすると、あっちゅう間ですが。


てことで、今日はこれで帰ります~~~~。



次の作業をお楽しみに!



おやすみなさいませ~~~。
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次は、「中彫り」でございます。まだまだ先は長い。。。
2016年12月12日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

今朝は、仕込みの日だったので、朝6:00に作業場に来たのですが、あまりの寒さで「手まったく動かず」・・・。

これからの季節は、ものづくり職人にとって厳しい毎日になりそうですね。


さて、「修理面」のお話が進んでいますが、今日は「復元面」の仕事を紹介します。



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復元前(元型)
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復元後(レプリカ作品)


このような形で、「原形を元に、新しいものを作る」のが『復元』の仕事です。

あくまでも「復元(レプリカ)」なので、同じように作っても、まったく同じものができるわけではありませんが、元の作品を残すことができますし、元型ではできない加工(毛を植える、目鼻の大きさを大きくする、など)が可能になるのです。



で、今回、小林工房が受けている復元の仕事は、こちらです。
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こちらでございます。

小林工房が、得意とする『獅子頭(和紙製)』です。

和紙製って、そりゃそうでしょーと思われるかもしれませんが、ほとんどの獅子頭は、「木製(木彫り)」なのです。



ここ最近、和紙製の軽くて丈夫な、かつ補修が効きやすい「和紙製獅子頭」の注文が多くなってきました。



現在、石見神楽面職人の中で、獅子頭制作に取り組んでいるのは、当工房のみとなっております。


そういう経緯から、今年度もいくつかの獅子頭制作の依頼を受けておりますが、今は地元:大田市の神社様からの依頼で制作中の獅子頭に取り組んでいます。

そして、今日その作業が始まりました。




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てことで、今日は粘土をモリモリ盛って、成形していきます。



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開始から1時間で、とりあえずここまでです。




「粘土造形」の作業を、私は大きく「荒彫り」「中彫り」「仕上げ彫り」に分けています。


これは能面制作でも同じですが、まず大きな形から少しずつ削り落とすことで形を生み出していくのです。


まだまだ、偉そうにいえるほどの技術ではありませんが、「粘土塑像」の最大のポイントは、「付け足す」ことと、「削り落とす」ことのバランスが重要なのです。


偉そ~(汗)。


できてないくせに。


ま、ま、今日のところは、その荒彫りにいくまでの初期段階まではきましたよ。




ということで、今日は帰ります(笑)。



うわ~~~、短気~~~、性格丸見え~~~。



ではでは、おやすみないませ。

2016年12月5日|カテゴリー「ブログ
12月になりまして、お尻を叩かれまくっている今日この頃。

多種多様なお仕事いただいていますが、今日は「修理面」の仕事の様子をちょこっとお伝えしましょう。


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この2つでございます。

もともとは次のような状態でした。
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長い年月、「飾り面」として玄関に飾られ、家を守っていたのです。

この度、「毛が抜けたり、冠やツノが外れてきたから、直してほしい」ということで、依頼主様と相談した結果、彩色からすべてやり直すことになりました。
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とりあえず、鬼の方だけで進行具合をお伝えしますね。


修理面の場合、まず何をやるかというと、「とりあえず、バラす」・・・ではなく、「とりあえず、観察する」のです。


「作者はどなたか」はもちろん、使っている素材、型の特徴、自分の仕事との違いなど、とにかく見まくります。


その上で、適切な修理方法を見出します。
(なので、よく観察した結果、「修理」ではなく、「復元」をお勧めすることがあります。)
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てことで、ようやくバラシます。
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まず、毛を抜きます。
すると、色々分かってくるが増えてきます。
毛を抜くだけでも、その面が持つ表情とか、痛み具合とか、「観察」だけでは分からない部分が見えてきますね。


特に「面の型」が見えますので、「活かすべき部分」が明らかになるのも、この段階です。


ということで、今日はここまでです。

「おいっ、仕事それで終わりかいっ!」って思われたかもしれませんが、修理の仕事は意外に時間がかかります。。。
少しずつ進めていかなければ、あとで後悔するはめになりますからね。


ということで、また次回をお楽しみに。


おやすみなさいませ~。

2016年11月30日|カテゴリー「ブログ
みなさん、こんにちは!

地味に再出発中の「小林工房ブログ(旧:泰三ブログ)」ですが、早速3週間も怠けましたっ!!

ごめんなさい!!

ということで、こっから頑張ります!!



さて、毎週土曜日、盛大に開催中の『ゆのつ温泉夜神楽公演』。

初年度から、企画・交渉・段取りをやり続けていますが、年を増すごとに盛り上がりがスゴイことになっています。

なので、ここ最近の夜神楽の様子をお知らせしましょう!
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11月12日(土)は、益田市より「石見神楽保存会久城社中」の皆様にお越しいただきました!


演目は『十羅(じゅうら)』『恵比須』『国受』の3演目。


で、会場はどんな感じだったかというと、、、。
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ほ~ら、スゴイでしょ!!

こんな状況が4月からほぼ毎週ずっと続いているのです。

ちなみにこの日は、総来場者数130名。。。

神社の床が抜けちゃいます。。。

てことで、この日奉納された演目を、ばあ~~~~と紹介しますね!
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「十羅」
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「十羅」
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「十羅」
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「恵比須」
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「恵比須」
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「国受」
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「国受」
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「国受」
いやぁ、実に臨場感あふれる写真!

といっても、撮ったのは私ではありませんで、「ゆのつ夜神楽」常連のお客様からいただきました(笑)。

(画像提供:のりすけさん)


ただ、写真では伝わらないんですが、舞手とお客様の「熱気」、「集中力」、「興奮」が舞台上にブインブイン来てましてね、、、そのエネルギーたるや、尋常ではないのです。。。


そして、終演後は、毎回恒例の「写真撮影コーナー」&「着付け体験」!
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これが毎回大人気でして、「撮って、撮って~」の嵐です(汗)。


温泉津夜神楽は、たった1時間の企画なんですが、観客の皆様にとっては一生の記憶に残る出来事。


主催者側の不手際など、少々、至らぬ点はありますが、皆さん大満足してくださいます!




まだまだ、そういう意味では、改善点多々あるわけですけども、企画者としてもっと魅力的な時間と空間を作っていきたいと思っています。



ということで、「ゆのつ温泉夜神楽公演情報」。

できれば、毎週やりたいと思います(笑)。



ということで、今日のところはこのへんで~。


おやすみなさいませ~!

2016年11月10日|カテゴリー「ブログ
こんにちは!

おおよそ、2年越しのHPリニューアル(笑)を果たした小林泰三です~(笑)。

いやいや、こんなに凍結してしまったHPから動き始めるには、よほどの覚悟と努力がいるもんでして、、、。

とりあえず、「少しずつ」やっていきますので、気長にお付き合いくださいっ。

ってことで、今日はこんな仕事でした。
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神面です。
小さいのと、大きいの。

実は「小さい方」が、何十倍も難しい・・・。

ので、これは1年間通じて10個も作りません。。。

でも、神面以外にも「般若」「須佐乃男」「狐」とか、いろいろありますので、ご興味持たれた方はぜひお問い合わせくださいね。
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ってことで今日は帰ります(汗)。

文章、短けぇ~~~!

でも、少しずつやってきますので、どうかお許しを。


ではでは~。


泰三




2016年11月2日|カテゴリー「ブログ

皆様、大変お久しぶりでございます(笑)。

 

小林工房、やっと、やっと、やっとこさ、サイトリニューアルいたしました(汗)!!

 

更新しなくて有名な、小林工房ですが、少しづつアップしていきますので、引き続き宜しくお願いいたします!!

小林泰三
(株)小林工房 代表 小林泰三
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