古事記・日本書紀に記載されている天照大御神の岩戸開きの物語で、祭祀及び神楽の起源を語ろうとするものです。天照大御神が、弟・須佐之男命の乱暴に困り果て、天の岩戸の中にお隠れになったため、八百万の神々は再び天照大御神を迎え出そうと、岩戸の前に参集してかがり火を焚き、そこで宇津女命を呼んで滑稽に踊らせたところ、大変賑やかな外の様子を不思議に思った大御神が岩戸をわずかに開けたため、手力男命が岩戸をこじ開け、再び天照大御神を迎えることとなりました。
宇津女命の岩戸御前の舞は、今日に残る神楽の源といわれ、この「岩戸」は石見神楽において最も神聖視されている曲目といえます。