「厳島神社(温泉津)」の猿田彦面
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島根県大田市温泉津町にある、石見神楽の舞面・飾り面・陶器面の制作、古面復元・修理を行う(株)小林工房
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「厳島神社(温泉津)」の猿田彦面
2017年3月30日
皆様、こんばんは。
またしても、残業中の小林です(汗)。
「残業は 仕事ができない 証拠です」って紙を、どこかに貼っておこかな。。。
さて、2月末から取り掛かっている「厳島神社」(大田市温泉津町小浜)の『猿田彦面』がいよいよ終盤になってきています。
前回、型作りの様子をご紹介しました。
約1週間かけて完成した「猿田彦面」は、乾燥後すぐに「和紙貼り」に入りまして、これでまた約2週間。
先週、ようやく次の工程にうつることができましたよ。
和紙貼りの後は、「脱活」。元型である粘土を打ち壊す作業です。
面の裏側の様子です。
こんな感じで、木槌を使って、少しずつ割っていきます。
そうですね、時間にして3分くらいでしょうか。
割と、あっけなく粘土は壊れていきます(汗)。でも、この工程は「石見神楽面」の特徴的なもので、たまに見学に来られた方に見せると、「す、すげ~~~~」とビックリされます。
そして、二言目には、「でも、壊すのって、もったいないですね」と言われます。
確かに、時間をかけて作った型を、一瞬にして打ち壊すのはもったいない気もしますが、セミも、蛇も、人間の皮膚だって、脱皮して新しく生まれ変わっています。面も、「抜き壊すことで、新しいものを生み出す」ということに関して言えば、とても自然なことかもしれませんね。
ということで、脱活が終わりますと、次は彩色。
そう、驚異の30回塗りの「胡粉がけ」の始まりです。
胡粉がけです。天狗は鼻が高いので、少々難しいですね。
3月の10日から始まりまして、先週21日に終わりました。。。
そうです、胡粉がけだけで10日以上かかるのです。一般的にはそんなにかける必要性がないのですが、小林工房の神楽面ではあえて回数を多く、深みのある「日本の白」を追求しています。
なんですが、猿田彦面は基本的には「赤(エンジ色)」を最終的に塗るため、見えなくなる白(胡粉)を多く塗る必要はありません。しかし、見えないところも美しく、ということでしっかりとして下地作りのために、30回塗りあげました。
そんなこんなで、あと3日程度で完成です。
完成の様子も、乞うご期待でこざいます。
ではでは、もうそろそろ寝ま~す、おやすみなさいませ~!
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