今日は飾り面のお話を。
いきなりですが、「飾り面の中で、最も位が高く、高貴なもの」をご存じですか。
それは、「鍾馗と鬼一対もの」なんです。
「鍾馗」という演目は、石見神楽の中で、最も重要視かつ神聖視されている演目ですね。
中国、唐の時代の玄宗皇帝が病に伏したとき、病床で夢の中に現れた一人の青年(鍾馗)が、自らの病の根源である疫神を退治したという伝説からきています。
京都では、その昔、とある薬屋に立派な鬼瓦が設置されたのですが、その後、向いの家の住人が病気にかかってしまったため、これを祓い退けるために、鬼より強い「鍾馗」像を構えたところ、たちまち病が治ったという言い伝えから、「鍾馗の鬼瓦」を構えるところが増えたという歴史があります。
「病気を退治する神」という存在だけでなく、「家を守る神」として信仰が深まったわけですね。
(ちなみに京都には「鍾馗神社」というのがあるのですが、これについては、後ほどご説明いたします。)
さて、コロナウイルスの感染拡大で日々不安な日々を送っていますが、この度ご縁をいただきまして、この最上級とされる飾り面「鍾馗・鬼一対」の制作をさせていただきました。