木彫り面は経年によって風合いが増し、彫塑による陰影も益々コントラストが強くなっていきます。
和紙で表現する限界はありますが、その「ホリ」にできる限り近づけていく努力をしています。
例えば和紙貼りの時に段差ができないよう重ねを少なくしたり、胡粉塗りの最中に行うミガキの作業でしっかり「ホリ」を表現したり、その作業ごとで毎回「手本(元型の面)」を見ながら調整していきます。
とはいえ、陰影を出す技法として、石見神楽面における「すりこみ(ボカシ入れ)※歌舞伎にちなんで、くま取りともいいます」は効果的なので、あまり強く入れないよう注意しながら、すりこみを入れさせていただきました。
これはあくまでも私の考えですが、「木彫り面と和紙面は別物」として分類するのではなく、同じ「面」として考えると、「この表現はこの道具を使えばできそうだ」とか「この色は木彫り面の風合いがでる色だ」と、その作業や技法をいい意味で変えていける機会になります。
日々感動、日々勉強ですね。
それでは、定期的にアップしていけるよう、頑張ります(笑)。