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修理面の仕事④

2017年1月7日
年も明けて、早や1週間が経ちましたね。


さてさて、修理面ですが、実は年末のところで出来上がっています(汗)。

時間差で投稿していますので、「早く完成した面を見せろ~~~」という方もいらっしゃると思いますが、もうしばらくお付き合いを。


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前回までの様子。 こちらが胡粉塗りを終えた面です。ツヤツヤですね。


30回の胡粉塗りが完了しまして、次はいよいよ彩色です。

本当に「いよいよ」って感じです。




彩色は、職人さんによって作業段取りの違いがありますが、私は 「箔押し(目に金箔を貼る)」 ~ 「彩色A(口の中)」 ~ 「彩色B(毛描き)」 ~ 「摺り込み」 ~ 「瞳入れ」 ~ 「ニスがけ」 としています。


その様子がこちら。
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「箔押し(目に金箔を貼ったところ)」


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「彩色A(朱塗り)」


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彩色A(中塗り)
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墨描き(うす墨)


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墨描き(本墨)


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摺り込み



この摺り込みを終えたところで、いよいよ最後の筆入れです。


神楽面職人の方によっては作業工程が微妙に変わりますが、私は「彩色」の中で一番重要とされる 「瞳入れ(どういれ)=目を描く」 の筆入れ作業を、一番最後に行います。



「目は口ほどにものをいう」とも言いますが、目から放たれるメッセージ性こそが決め手になるのです。

なので、黒や赤などの色がすべて入り、全体の顔が出来上がった全体像を見つつ、目の線、つまり「瞳」を入れていきます。


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瞳入れ


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瞳が入った様子。



いかがでしょうか。

目に力が入ってきましたね。


ここに「魂」が入って、表情が生まれ、まるで生きているように見えるのです。


しかし、「魂を入れる」のは、作り手ではありません。



舞手です。

つまり、使い手なのです。



飾り面の場合は、それができませんが、その家に飾られ、毎日毎日その面を見続けることで、自然と魂が宿っていくのです。



師匠の言葉にもあります。

「面は8割で仕上げるんだ。残りの2割を舞手(使い手)が埋めることで、初めて完成する」と。




これ以上の格言はありませんね。



でも、まだまだ自己主張が強すぎる面が多い私。。。



修理面を通じて、その欲を抑制することができるので、やはりこの仕事が「初心」「基本」に返れるいい機会。



ということで、次回がいよいよ完成の巻です!!



乞う、ご期待!!
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