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神楽面職人の登竜門!

2017年2月16日
みなさん、こんにちは!

しばらく間が空いてしまいましたが、元気に投稿です。

でもでも~、気を付けないとこのまま過疎化しちゃうのが、「泰三ブログ」~~~(笑)。



さ、ということで最近の様子をお知らせします!



実は今、かなりの大作に挑んでいるのですよっ!!

何かというと、これ!



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どど~~~ん。


そう、石見地方西部(三隅町以西)でよく使われる、通称「ちりとり面」。


その名の由来は、「ちりとりのようにゴミをたくさんかき集められるほどの大きさ」だから。


粘土型だとボリューム感伝わりませんが、実際はこんな感じです。



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おっきい! 顔の大きさはみ出してますね、大きさは約40cm四方。
(写真:益田市石見神楽保存会久城社中)


これ、一つ作るだけでも、とても大変なんですが、なんと注文の数は5つ!!

5枚ですよ、5枚!!


なぜかというと、石見神楽演目の中で最長編演目といわれる「五神」で使われるからです。


五神とは、春夏秋冬・東西南北を司る4人の兄妹神に、もう一人弟がいて、この末っ子王子「埴安大王(五郎王子ともいう)」が「自分にだけ土地が与えられないとは、どういうことだ!自分にもよこせ!!」と乱を起こすのです。
やがて、兄妹喧嘩となり、この合戦の収拾がつかなくなったところで、「所領分けの神」が現れ、「まあまあ、お前たち、私の言う通りにして皆平等に土地を分配しあいなさい」と仲裁に入り、皆仲良く暮らせることになった、という話。

これが、農業の指針となり、地域社会における共存・共同の思想が込められていることから、秋祭りではこの演目を最後の演目で締めくくることで、「国家安穏」「氏子繁栄」を祈願しているのです。



とまあ、ざっくり説明しましたが、この演目で登場する五人の神々が使用するのが、この「ちりとり面」なのです。
(石見地方のすべてがこれを使用するわけではありません。素面であったり、神面を使用されたりと地域によってさまざまです)



大きくて、手間も技術もいることから、「神楽面職人としての登竜門」ともいわれます。
この仕事をこなせてこそ、「一人前」といえるほど、重要な仕事。



これを、小林工房10年目にして、ご依頼いただいたのです。改めて、感謝。


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暖かい日に、一気に天日干し!


ということで、面の原型は無事に乾燥を終え、現在、「和紙貼り」中でございます!


完成を乞うご期待。


ただし、4月に納品予定のため、まだ先になりま~~~す。



ということで、今日はこのあたりで、さようなら~!
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